矢野、復活!右肘手術乗り越え今季初安打初打点!
2015年5月30日6時0分 スポーツ報知
◆交流戦 楽天5―3巨人(29日・コボスタ宮城)
最後は左手一本だった。外角低めに沈むチェンジアップに、矢野は右膝が地面につくほど体を折り、バットの先で拾った。「気持ちで打ったという感じ。食らいついて打てました。みんながつないだチャンスで一本打つことができて良かったです」。同点に追いつき、なおも4回2死一、三塁。辛島から一時、勝ち越しとなる左前タイムリー。5試合8打席目の今季初ヒットだった。
昨年11月に右肘を手術。自由の利かなくなった“相棒”との長いリハビリ生活が始まった。手術直後は何度、力を入れても少しも曲がらない。入浴時も伸びたままで、自身の髪を洗うことさえできなかったが、心が折れることは一度もなかった。
「手術は自分が選択したわけなので後悔はしていない。だから、野球ができなくてもつらいとは思わなかったし、できることを一生懸命やるだけでした」。患部に負担のかからぬよう、リハビリのスタートは自分の真下にボールを投げること。地道なトレーニングを重ね、徐々に本来の動きを取り戻した。プロ13年目のベテランが2軍で若手に交じって打撃の調子を上げ、22日に初昇格。今季2度目のスタメンで努力が結実した。
2013年11月3日。当時Kスタだったこの場所で行われた楽天との日本シリーズ第7戦だった。9回に代打で登場したが、田中(現ヤンキース)の前に空振り三振で最後の打者となり、日本一が夢と消えた。あれから1年半。「まだまだ余裕はありません。またあした、頑張ります」と控えめだったが、因縁の地で矢野が復活を証明した。(中村 大悟)