JR仙石線:震災から4年2カ月 全線が復旧

毎日新聞 2015年05月30日 10時52分(最終更新 05月30日 14時32分)

全線再開し、石巻方面に向かうJR仙石線の車両。右の駅舎は東名駅=宮城県東松島市で2015年5月30日午前6時23分、佐々木順一撮影
全線再開し、石巻方面に向かうJR仙石線の車両。右の駅舎は東名駅=宮城県東松島市で2015年5月30日午前6時23分、佐々木順一撮影

 東日本大震災の影響で不通が続いていた宮城県のJR仙石(せんせき)線(あおば通−石巻、49キロ)は30日、高城町(たかぎまち)−陸前小野間(10.5キロ)で運行を再開し、全線が復旧した。震災で大きな被害があった石巻市や東松島市の中心部が、仙台と4年2カ月ぶりに鉄路で結ばれることになり、沿線は祝賀ムードに包まれた。

 石巻駅では午前8時から式典が開かれた。石巻市不動町の看護師、佐藤和子さん(70)は「自宅も浸水したあの時、4年あまりで元に戻るなんて想像もできなかった。切れていたものがつながって、心もつながったようです」と晴れやかな表情で仙台行きの列車に乗り込んだ。

 津波で線路が流失した野蒜(のびる)、東名(とうな)の両駅を含む約3.5キロは従来より約500メートル内陸側に線路が移設され、海抜約20メートルの高台に新たな駅舎が建設された。またJR東北線塩釜駅から接続線を経由して仙石線に乗り入れる新線「仙石東北ライン」(47.2キロ)も同時開業。仙台−石巻間を最短52分で結ぶ。【百武信幸】

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