スポーツのしおり
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【国際】ロシア、「国家機密」拡大 「平時の特殊作戦で死亡」非公開
【モスクワ=常盤伸】ロシアのプーチン大統領は二十八日、ロシア軍の「特殊作戦」で死亡した将兵の情報を国家機密とする大統領令に署名した。違反した場合は重罪である国家反逆罪に問われる可能性がある。親ロシア派武装勢力に偽装したロシア軍によるウクライナ東部介入をめぐり、調査や報道活動を封じる狙いが透けて見える。独立系メディアや人権活動家らの懸念は深まる一方だ。 大統領令は「平時の特殊作戦での将兵死亡に関する情報」を、新たに国家機密に加える内容。従来は戦時の軍事行動での死者が対象だった。機密漏えい罪なら最長七年、国家反逆罪が適用されれば最長二十年の禁錮刑が科せられる可能性がある。 大統領令について、大統領府のペスコフ報道官は、「ウクライナ情勢とは関係がない」と否定した。 だが、二十九日付のロシアの独立系各紙は一斉に大統領令を新たな情報統制だと批判。軍事評論家のパーベル・フェルゲンガウエル氏は本紙に「『特殊作戦』には法的定義がない。軍の活動は全て特殊作戦に指定することが可能だ」と警告した。 ウクライナへの秘密介入に関連した報道を続けるノーバヤ・ガゼータ紙の広報担当者は本紙に「報道への政治的圧力であることは明白だ。報道をめぐる状況はソ連時代に逆戻りしつつある。電子版を外国に設けるなどの対抗措置を講じる必要もある」と強い懸念を表明した。 ただ、報道関係者などが機密漏えい罪に問われて裁判になると、「政権は軍事作戦の具体的な内容を説明しなければ公判を維持できないが、ウクライナへの軍事介入を認めることは困難だ」(軍事評論家のゴリツ氏)との見方もある。 一方、ロイター通信は二十七日、ウクライナ東部に隣接するロシア南部ロストフ州に多数の兵士や戦車、ロケット砲など大量の兵器が集結中であると報道。フェルゲンガウエル氏は、大統領令は、新たな軍事介入に向けた予防措置の可能性があるとの見方を示す。 PR情報
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