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【スポーツ】

<首都スポ>梶村が起点 尾崎が決める 6・2開幕ラグビーU−20世界選手権

2015年5月30日 紙面から

U−20世界選手権での健闘を誓うWTB尾崎(右)とCTB梶村=26日、神奈川県伊勢原市の専大グラウンドで

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 ヤングジャパンはカウンターで勝負!! ラグビーのU−20世界選手権が2日、イタリアで開幕する。昨年まで5年間は下部大会に甘んじたU−20日本代表がようやくつかんだ世界への挑戦だ。最下位になればまた下部大会へ降格。ノルマは降格回避だが、それだけが目標じゃ面白くない。目指すはプール最終戦で挑むウェールズからの勝利、さらに4年後のワールドカップでの主役の座だ。どんな逆境におかれてもくじけない。若きジャパンはカウンターアタックで世界に挑む。(大友信彦) 

 攻め込まれてからが勝負だ。タックルで相手のミスを誘う。密集でボールを奪う。相手のキックを捕って、そこからのカウンターアタックで相手ゴールラインを狙う。

 「カウンターアタックは日本のひとつの武器になったと思いますね」。U−20日本代表を率いる中竹竜二監督と手応えを口にした。神奈川県伊勢原市の専大グラウンドで行われていたU−20日本代表の遠征直前合宿。6月2日にイタリアで開幕するU−20世界選手権は日本が2009年以来、6年ぶりに世界のトップに挑む。その舞台に、ヤングジャパンはカウンターを武器に乗り込む。

 「個人と言うより、チーム全体のカウンターへの意識が高くなりました」

 それを実感したのは5月上旬にオーストラリアで行われたU−20オセアニア選手権だった。U−20世界選手権で戦う欧州のチームはU−20の6カ国対抗で実戦経験を積んでいるのに対し、環太平洋勢には実戦の機会が少ない。そこで、日本代表の岩渕健輔GMを中心に各国に働き掛けて創設した大会だ。

 日本は初戦でNZに0−75で大敗したが、続いて中2日で行われたオーストラリア戦は、4度もリードを奪う激戦の末、31−47。最後のサモアは終盤に反撃され30−33で逆転負けしたが一度は30−8までリードした。

 「NZ戦もスコアは大差になったけれど、後半の入りから25分間はずっと日本が敵陣に入って主導権を握っていたんです。要所要所にはいいところがあったんですよ」

 そう振り返るのはWTB尾崎晟也だ。大学最強軍団の帝京大にあって、昨季は1年生で唯一レギュラー入り。シーズン18トライをマークした豪脚は、U−20日本代表では副将を務める。オーストラリア戦ではゲーム主将も務め、FB野口竜司(東海大)とともにカウンターアタックのタクトを振った。

 「バックスリーだけでなく、CTBの戻りも含めて、BKのカウンターアタックへの意識と精度が高くなって、トライも取れたし、しっかりゲインできた」

 スペースを切り裂いて仕留めるのが尾崎なら、体を張ってチャンスメークするのがCTB梶村祐介だ。高3で日本代表合宿も経験した頑健なCTBは「NZはBKラインの幅が見たことのないくらい広くて、最初は対応できなかった」と振り返りながら「それでも声を掛け合って、我慢してディフェンスしていたら相手もミスをしたし、アタックでも自分の強さが通用した。自信になりました」と手応えを感じている。

 苦しい中でも光を見つけるタフなメンタリティーは頼もしい。本大会では最初に3連覇を目指すイングランドと対戦。そこからフランス、ウェールズと強敵相手の戦いが続く。

 「向こうも同世代だし、これから自分も正代表に上がっていったら対戦する相手。負けられない」と尾崎がいえば「4年後は日本でW杯があるし、そこで結果を出すためにもここでたたいておきたい」と梶村も強気だ。

 12チーム中最下位になると来季は再び下部大会に降格する後のない戦いだが、若きサクラ軍団の目標は残留だけではない。ひとつでも多くの勝利を挙げ、4年後の「大人の」W杯の代表入りに大きな一歩を刻むことだ。

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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