2015年5月30日07時03分
近年の火山噴火では、2000年に、最大で住民1万6千人が避難した有珠(うす)山(北海道)と全島が避難した三宅島(東京都)の例がある。
昨年は御嶽(おんたけ)山(長野県、岐阜県)が噴火して多くの登山者が犠牲になった。活発な活動が続く桜島(鹿児島県)では爆発的噴火が今年は600回近く起きている。いずれも噴火警戒レベル3で入山が規制されている。
4月には噴火警戒レベルが未導入の蔵王山(山形県、宮城県)で地震が増えてレベル2相当の火口周辺警報が出された。今月は箱根山(神奈川県)で火山性地震が増えて、警戒レベルが2に引き上げられた。
日本全体で火山活動が急に高まったように感じられる状況について、火山噴火予知連絡会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授は「20世紀は火山噴火が少なかったが、今の状況が普通の状態かも知れない」と話す。
日本は、地球の陸地面積のわずか0・25%しか占めないが、活火山の7%が集まる火山列島だ。
江戸時代にも、広範囲に火山灰が降った1707年の富士山の宝永噴火、火砕流や泥流で千人を超える犠牲者が出た1783年の浅間山の天明噴火などがあった。東北まで火山灰が達した1914年の桜島の大正噴火のような大規模な噴火が近年はない。藤井さんは「これからは、もっと大きい噴火が別の火山で起きることも覚悟した方がいい」と話した。
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