右手首と右前腕を痛めて故障者リスト(DL)入りしているヤンキースの田中将大投手(26)が27日(日本時間28日)、米ロードアイランド州ポータケットで傘下3Aスクラントンの一員として2度目のリハビリ登板に先発。レッドソックス傘下の3Aポータケットを相手に3イニング4安打3失点、2四球4三振の内容だった。マイナーリーガーを相手に制球が甘くなり痛打される場面もあったが、田中は最短で6月1日から始まるマリナーズ戦(シアトル)でのメジャー復帰に自信を見せた。ジャイアンツの青木宣親外野手(33)はブルワーズ戦に「1番・左翼」で臨み、5打数2安打で5試合連続安打、4試合連続の複数安打を記録。この日発表された球宴ファン投票の中間発表で外野手部門の4位に入った。
3回3失点という結果にも、メジャー復帰への自信が揺らぐことはなかった。「僕自身ではこうやって下(マイナー)で投げて、上(メジャー)で投げても問題ないと思う」
初回には、いきなりの長短打と四球から無死満塁のピンチ。「最初のバッターを三振に取れたのが大きかった」と、4番ブレンツを宝刀のスプリットで空振り三振を奪うと、この回を犠飛の1点で切り抜けた。2回にも四球で走者を許すと、1死三塁から内野ゴロで失点。直後にもソロ弾を献上して「打たれてるボールもあるし、四球もあった。すべてが思う通りにいくわけではなかった」と反省の言葉も口にしたが、予定の65球に近い62球を投げきり「完璧では全然ないですけど、こうやって投げられてるのが一番大事」と前向きに話した。
マイナーで初となった敵地での登板では“洗礼”も受けた。初回、無死満塁でブレンツへの投球中に、マウンドの足場がはがれて整備のために8分間中断するハプニング。田中自身も初めてというトラブルに「ここのグラウンドキーパーの方も『こんなの見たことねえ』くらいのこと言ってましたけど、お前らがやったことやろって感じ」と苦笑い。一部の米メディアは「ここはレッドソックス傘下のチーム」とツイートし、ヤ軍とレ軍のライバル関係が起因したのではと、あおってみせた。
複数の地元メディアによると、田中の2度目のリハビリ登板を受けてジラルディ監督は「次も彼はどこかで投げる。何が正しい選択かを吟味したい」と発言。メジャー復帰への明言は避けたものの、今後は29日にチームの遠征先オークランドに合流し、ブルペン投球を行った後に6月1日からシアトルで行われる3連戦でのメジャー復帰が濃厚となっている。 (穐村賢)
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