胃がんのため67歳で亡くなった漫才コンビ、今いくよ・くるよの今いくよ(本名・里谷正子=さとや・まさこ)さんの通夜が29日夜、京都市内で行われ、相方のくるよが取材に応じた。
いくよさんは昨年9月に胃がんが判明し、同11月に舞台復帰。今月11日まで、大阪・なんばグランド花月(NGK)に出演。くるよによると、いくよは8日前に腹痛を訴え、病院で検査を受け、そのまま入院。亡くなる2日前から意識が薄れ、息を引き取ったという。最期はくるよもみとった。
「さっきまで元気やったやん。絶対治ると信じてた。いくよちゃんも、ずっとまた(家に、舞台に)帰れると思ってたと思う」
くるよはいまだ、相方で盟友の死を受け入れられない様子で語った。
病室ではいくよさんの足をさすったりしながら「気を送り続けた」という。
気づかいの人、いくよさんは、そんなくるよの思いやりに笑顔を浮かべて、御礼をしていたが、その反応が亡くなる3日前から薄れ、2日前には反応がなくなったという。
最後のギャグは、亡くなる3日前。看護師に名前を確認され、「里谷正子、28歳です」と笑わせた。
くるよが思わず「ナイスギャグ!」と言うと、ニッコリほほ笑み返し、これが2人の最後の会話になったという。
気丈に涙をこらえ続けたくるよだったが、いくよさんに送る言葉を問われると、涙があふれ出た。
「日本一の相方や! 私は本当に幸せやった。私は大幸せ。思い切って、天国にまっすぐ行きよし」
震える声を張り上げた。心残りは芸能生活45周年イベント。くるよは、いくよさんに「45周年やろ」と励まし続け、いくよさんもうなづいていたが、それもかなわなかった。