「なろう」登録者数が十倍になっても、今のトレンドが継続するか? の考察
作者:なろう世界の不適合者
とあるエッセイに触発されて、ちょっと考察してみました。
「小説家になろう」は、現在、約50万人の登録者と約32万の投稿作品がある日本最大級の小説投稿サイトです。
ユーザーとしては最大ではなく最大「級」ってのが、ちょいと残念ですかね。エ●リスタの方が登録者数が多いからでしょう。
で、表題に対しての推論を一言で述べると――『NO』だと思います。
その理由を説明しましょう。
考察に用いるサンプル作品は二つで事足ります。
①魔●科高校の劣等生
②無職●生 -異世●いったら本気だす-
以下、①は「さすおに」②は「無職」と呼称します。①は「お兄様」でも通じますが「お兄様」だと作品ではなく主人公を指す場合もあるので。
「さすおに」は、「なろう」に投稿されていた時期があり、当時のランキング一位作品でした。
その当時の「なろう」は今ほどの規模ではなく、「さすおに」はPV5500万、ブクマ数も12000程だったはずです。間違っているのなら、スイマセン。
著者の佐●勤先生が、電撃大賞に応募し、落選にはなりましたが、その独特な作風から編集部の目に留まって電撃から拾い上げになった――のは、有名なエピソードですね。
近年の「なろう」からのスカウト出版とは違い、電撃大賞経由(電撃出身)ですが、これも一種の「なろう」書籍化作品 (の亜流)として扱います。
対して、「無職」は「なろう民」にはご存じ、不働の累計ランキング一位作品です。
ブクマが76000で、累計PVが21561万(2015/05/29現在)というトンデモな数字になっています。というか、毎日20万PVずつ増えています。
おそろしい作品ですね。
とはいっても、「さすおに」が掲載されていた当時の「なろう」において、「さすおに」がどの程度「なろう」を寡占していたのか知らないので、この数字の比較によって「無職」が「さすおに」よりも「なろう」的に上という証明にはなりません。
次に、出版物の売り上げ結果を比較すると、圧倒的に「さすおに」が上です。
文庫本と単行本の違い。
電撃ブランドによる影響もあるので、「無職」が商業作品として「さすおに」に劣っているという事にはなりませんが。
しかし、「なろう」内の評価ほどに、ラノベ市場では売れてはいないでしょう。
単巻で20万以上の実売があれば、「無職」スゲエエエエエ! となるのですが、そこまで話は甘くなかった……と。
この二作品の比較から、おおよそ現在の「なろう」書籍化作品の限界値も見えてきます。
具体的な数字は避けますけど。
無料と有料の壁――といえばそれまでですし、この程度、ほとんどの「なろう」ユーザーさんが理解しているでしょう。
むしろ理解してない方が少数かも。
さてさて、ここで話題を少し移します。
ズバリ、ランキングです。
「無職」だけではなく、圧倒的に「なろう的異世界モノ(VRMMOモノ含)」が上位を占めるランキングについて、です。
比較対象に挙げた「さすおに」は、「近未来風SF現実世界モノ」というか、ぶっちゃけ「SF風現代異能モノ」ですから、今の「なろう」のトレンドとは傾向が違っています。
「無職」も今現在の「なろう」トレンドからは多少は外れているでしょうが、あくまで「現代モノ」ではない「中世風ファンタジー異世界に転生」の代表というカテゴリとして扱っています。
厳しい言い方をすれば、「読み手を現実世界から切り離してトリップさせる」という理由以外に、異世界転生に物語りの伏線として必要な論理的な理由が存在しなければ、一括で扱っても問題ないだろうという事です。
むろん、例外的な本格SFや現代モノの書籍化作品もありますが、「なろう」内での評価と書籍売り上げ的に、「無職」を代表サンプルとしました。
ハッキリいって、現在のなろうランキングは、おそろしくニッチな代物になっております。
けれども、そのランキングが市場においての絶対指標にはなりえない――のが「さすおに」と「無職」の比較で理解できます。
「なろう民」の中には、「なろう」で認められる=市場で認められる、と錯覚している人もいるかもしれませんが。
あくまで50万人規模内での、特殊なサンプル(特殊なランキング)でしょうね。
現在、アニメ放映中の「ダン●ち」も、「なんでファンタジー世界なのにステータスとかあるん?」と首を傾げる視聴者がいる点からも、やはり「なろうファンタジー」は一般読者からは特殊でしょう。
「ダン●ち」は、理想郷メインで厳密には「なろう産」じゃない上に、G●大賞受賞作品ですが。
そのランキングで声が大きいニッチな層+そうじゃない層の合計が、現在の50万人という数字となります。
繰り返しますが、現在のランキングはニッチな層の影響が大きくなってます。
ランキングって面白さの順じゃなくて、人気の順ですからね。
面白い→ランキングに乗る、ではなく、ランキングに乗る→人目についてポイント集まる、なシステムですから、不正行為が後を絶たない。
スタートダッシュかます為に、連載開始当初は一日複数回投稿とか、連載初期は毎日投稿とかやっている。
作品内容云々じゃなく、ポイントを稼ぐノウハウが出来上がっている状態です。
日間上位作品を眺めて、「強くてニューゲーム」の『序盤だけ』を延々と繰り返したい層が、短期サイクルで大量のポイントを投下しているな、と筆者は感じました。
だから似通ったクローン作品が、日間上位に繰り返しアップされていく。
そういう読者さん達は、長期的な展望とか、完結とか、ストーリーとか、面白さには、おそらく興味が無いんですよ。
余談ですが、ポイントとPVの関連性を考察するエッセイは、ほとんどが無意味ですね。
単純に、「なろう」登録外の読者さん、およびリピーター読者さんが考察に入っていないから。
ついでにポイントだけじゃなく、PVにも不正水増しがあるでしょう。
仮に、面白さの順にランキングできるシステムを開発できれば、出版社が高く買ってくれますよ。夢のようなシステムでしょうから。
で、ニッチ層ですが。
「無職」やその他、書籍化作品の売り上げの上限値が、ニッチ層の臨界に近いとすると、ここから更に「なろう」登録者数が増えても、全体ではニッチな層の割合が減少していく――と思われるのです。
そう。非ニッチ層と、色々な作品を好む層の割合が増えていく――といいなぁ(苦笑
この時点で、考察じゃなくなっていますね。なはは。
根本的に、「なろう」登録者が500万人に増加するのかよ!? というツッコミはなしの方向で。
あくまで仮定なので。
それに「なろう」が現在のニッチ用でなくなるのは嫌だ、という層も、当然ながらいるでしょう。
ニッチだからこその「なろう」だ、と。
プロやワナビの参入に拒絶反応を示すユーザーさんが、それに該当するかと。
とあるサイトの考察では、「なろう産」は「精神のポルノ」用だ、と断じられていましたしね。
「なろう」は「小説」を投稿する場ではなく「なろう」を投稿する場、という声もあります。
だた筆者は思うのです。
この「なろう」というプラットフォームは非常に優れた代物なので、登録者数500万人を目指して欲しいと。
一番最初に、表題に対して『NO』とだけ記載しました。
その『NO』に続く言葉として、登録者が500万人になれば、「なろう」内のトレンド(流行)がランキングを占めるのではなく、人気作が多様性をもったサイトになっていく、と予想します。
もちろん、ニッチ好みを締め出すのではなく、共存していければいいと思います。
半分以上は願望ですけどね。
そうすれば筆者の拙作である「現代異能モノ」も、ちょっとは注目されるのではないか、と淡い希望を抱いて、この願望混じりの稚拙な考察を締めくくりましょう。
ちなみに拙作「魔導世界の不適合者 ~魔術学科の劣等生~」ですが、ブクマ1894、151万PVという現状でございます。寂しい数字ですね。
さすがにマイナージャンルな現代異能モノでございます。某巨大掲示板でも「現代モノ」は受けない「異世界」一択、とバカにされておりました。
ちょっwwwww、お前、コレ、サブタイトル「さすおに」のパクリじゃねえかよ! と初見の方は思うでしょう。
まあ、実際、便乗しようと、思い切りパクリましたし、苦情が多ければ引っ込めるつもりでした。
メインヒロインの名前まで、フェイクで似せていますよ。中身はまるっきり別物ですけど。中身まで似通っていると、流石に洒落になりませんし。
しかし、このサブタイトルにも関わらず、「さすおに」の出版元であるKADOKAWAさんから出た「この『小説家になろう』がアツイ!」に紹介文を載せて頂きました。
KADOKAWAさん、懐が深いですよね。
逆に、タイトル、変更できなくなっちゃいましたけれど。
「この『小説家になろう』がアツイ!」に載った当時で、2110ポイント、80万PVだったので、あれから七ヶ月で2000ポイント、70万PVの上乗せですか。
ここから先は、何もいいません。
「なろう」に多様性を求めている人。
「なろう」に現代モノを求めている人。
もう、分かりますよね!?
キーワードは「クリック」と「12」ですよ、「12」っ!
――という、悪ノリめいた宣伝はここまでにして。
個人的には、「なろう」がもっと繁栄して、人気作が「なろうテンプレ」に偏らない日がくればいいな、と妄想します。
この考察を、僕と同じマイナー作の作者さん達に捧げます。
注)感想返しはしませんので、あしからず
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