6月20日、いよいよ公開される映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』には、作品のために改造された150台近くのクルマ、トラック、オートバイが登場する。世界が崩壊して45年が経ったこの世界では、 電子部品の多い21世紀のクルマは使い物にならなくなり朽ち果てても、1940〜80年代に製造されたクルマは改造され、手に入る部品を組み合わせることで生命が与えられ、移動手段や殺戮兵器として走り回っている。その中からAutoblogが独占入手した画像と共に、10台のクルマを前後編の2回に分けてご紹介しよう。
まずはお馴染みマックスの愛車である「インターセプター」。1974年式フォード・オーストラリアのXB型「ファルコン GT」ハードトップをベースに製作された特殊追跡車両だが、今や数えきれない修理によってオリジナルのパーツはほとんど残されていない。ベルト駆動のスーパーチャージャー付きV型8気筒エンジンは、今回の作中でさらに載せ替えられ、2基の過給器を備える4輪駆動に改造される。
荒野の支配者イモータン・ジョーが乗る「ギガホース」は、2台の1959年型キャデラック・クーペ・ド・ヴィルが上下に積み重ねられた異形のマシン。エンジンも2台分のV型8気筒を搭載し、特製ギアボックスを介して高さ2mの巨大な後輪を駆動する。16気筒分の4つのバンクから、左右に2本ずつのエキゾーストが伸び、捕鯨用の銛と火炎放射器で武装したこのクルマは、監督・脚本・制作を務めるジョージ・ミラーによれば「ステロイドで動くキャデラック」。オーナーの過剰さと肉欲、残虐性が過激な形で具現化されたものだという。
女戦士フュリオサが操る「ウォー・タンク」は、チェコスロバキア製タトラのT815というセミトレーラーに、1940年代のシボレー・フリートマスターを組み合わせたものだ。フロントに搭載する2基のV8エンジンによる6輪駆動の18輪車で、車両後部の巨大な燃料タンクと、その後ろにある燃料ポッドという2つの貨物区分を引っ張る。その上にはフォルクスワーゲン・ビートルのボディを流用した砲台が備わる。まさに砂漠の移動要塞だ。
短い寿命を維持するため、マックスの身体から血液を輸血しながら荒野の戦いに乗り出すニュークスが乗るのは、1932年型フォードをベースとするホット・ロッダーの憧れ、5ウィンドウの「デュース・クーペ」。『アメリカン・グラフィティ』に登場する黄色いホットロッドを鮮烈に記憶している方も多いだろう。オフロード用タイヤを履くニュークスのデュース・クーペは、"ビッグ・ブロック"V8エンジンにスーパーチャージャーとターボチャージャーの双方が装着され、ナイトラス・オキサイドによるパワーアップ装置も備える。
イモータン・ジョーの息子、リクタス・エレクタスのモンスター・トラックは「ビッグフット」の名前通り、元軍用の超大型タンカーから回収した全高170cmの全地形対応タイヤが特徴だ。1940年代のファーゴ製トラックがベースで、排気量9.8リッターのスーパーチャージャー付きV8エンジンを搭載。「ターボ400」オートマティック・トランスミッションと遊星歯車ハブリダクションを介して巨大なタイヤを駆動する。サスペンション・トラベルは1,200mmも確保され、崩れた山のような難地形でも登ることが出来るという。
さて、今回ご紹介した5台は、いずれも主要登場人物が乗る車両だが、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』には他にもユニークなクルマが登場する。後編ではその中から再び5台をご紹介しよう。
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ジョージ・ミラー監督『マッドマックス 怒りのデス・ロード』から伝説のインターセプターを始め、
マシンを徹底解説したプロダクションノートと共に大公開。
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■『マッドマックス 怒りのデス・ロード』公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/madmaxfuryroad/