日本と米国、フィリピンが、南シナ海で軍事的拡張を進める中国を封じ込める。米比の国防相が、中国の人工島建設に警告を発したうえ、日比の防衛幹部が協力拡大で一致したのだ。「自由」と「民主主義」「人権」「法の支配」という普遍的価値で一致する3カ国が、中国の暴走阻止に乗り出した。
「中国の行動は、アジア太平洋域内の各国を団結させつつあり、米国が地域に関与する必要性を増大させている。米国は向こう数十年間、地域の安全保障の主力であり続ける」
カーター米国防長官は27日、ハワイで行われた米太平洋軍司令官の交代式で、こう宣言した。中国を名指しして、米国のアジアにおけるプレゼンス維持を明確にしたもので、「国際法が許す限り、米軍は(人工島の周辺で)飛行や航行、作戦行動を続ける」とも語った。
その後、カーター氏は同地で、フィリピンのガズミン国防相と会談し、「(同盟国である)フィリピンを防衛する米国の義務は確固たるものだ」と強調。両氏は中国に対し、人工島建設と紛争海域の軍事化を「即時に中止」するよう、強く要求した。
南シナ海の大部分を自国領だと強弁する中国に対する包囲網に、わが日本も加わった。
斉藤治和航空幕僚長は28日、フィリピンのアズクエタ国防次官、軍のボナファス参謀次長と、首都マニラで相次いで会談。航空自衛隊とフィリピン空軍の部隊レベルでの交流や協力を拡大していくことで一致したのだ。