世界文化遺産をめぐる韓国の妨害工作や、日本側の対応について、参院外務防衛委員長でもある、自民党の片山さつき参院議員が語った。
「世界遺産に登録されるかどうかは、日本の名誉にかかわる問題だ。明治の先人たちの偉業を後世に残し、世界に伝えることは、われわれが成し遂げなくてはならない義務。あらゆる手段を講じていきたい」
片山氏はこう語る。
遺産登録は、7月3〜6日(日本時間)にドイツのボンで開かれる世界遺産委員会で正式決定する。韓国は高度な政治レベルで妨害工作を展開しているが、その主張には事実誤認が多い。
登録勧告された施設の一部で「強制労働が行われていた」というが、戦時下での労働力不足を補う「徴用」であり、給与も支払われ、米国や英国でも行われていた。そもそも、朝鮮半島での徴用は終戦直前の短期間だけで、それ以前は、朝鮮の人々は出稼ぎで日本に来ていたのだ。
日本政府も、菅義偉官房長官が「(世界遺産登録に)政治的主張を持ち込むべきではない」と反論。世界遺産委員会の委員国に、副大臣や政務官を「首相特使」として派遣し、登録支持の働きかけを強めているが、自民党も黙ってはいない。
政府の動きを支持するだけでなく、委員国にパイプを持つ議員が独自に動き始めており、片山氏も、ヴィオレル・イスティチョアイア=ブドゥラ駐日EU大使に対し、EUの委員国への働きかけを申し入れた。
片山氏は「可決には、21カ国の委員国のうち3分の2以上の賛成が必要だ。棄権国が多くなれば、委員長国であるドイツが決裁するが、『自国は戦争責任を果たしている』と世界にアピールするため、韓国に有利な判断をしないとも限らない。日本政府の見解を理解してもらうよう、最後まであきらめずに訴えていく」と語っている。 (ジャーナリスト・安積明子)