観光スポットとして人気のフラウエン教会。最近、教会前の広場には中国人観光客も増えている=27日、ドイツ・ドレスデン(佐久間修志撮影)【拡大】
欧州全体でも、米国とEUの包括的な自由貿易協定となる環大西洋貿易投資協定(TTIP)の交渉が停滞する中、AIIB参加は「中国との関係強化を米国に意識させ、揺さぶりをかける交渉手段」(関係者)といった側面がある。
AIIBは首席交渉官会合で、理事会を常設しないことが決まったほか、中国が事実上の拒否権を持つとの情報もあり、中国の思惑が反映された格好だ。G7はAIIBに適正な組織運営などを引き続き求める方針だが、第一生命経済研究所の田中理主席エコノミストは「欧州各国は、中国に口うるさく言うつもりがないようだ」と指摘しており、実効性を伴う合意は見通せない。(ドレスデン 佐久間修志)