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○○考察

口調考察

作者:池田哲次
 口調、作者がどこまでキャラクターを練ったか丸分かりになる場所である。
 下手な人は気が付くと女の子が全員、所謂「ですます調」に成っていたりする。
 キャラクターの顔が眼前に迫ってくるアニメやギャルゲーならともかく、台詞だけで書き分けなければならない小説でヒロインの口調が同じというのは解せない。
 まさか世の中の女の子全員が体育倉庫裏に意中の相手を呼び出して告白すると信じているはずではあるまいに。
 口調だって同じ様に十人十色だろう。

 自分は、キャラクターシートに口調についてメモする際、be動詞のシンプルな訳し方+接続詞を書くことにしている。
 例をあげるならば、「ですが調」や「だけど調」という風だ。この文章は「だが調」になる。
 大抵の場合は前半が『です』『だ』『である』、後半が『が』『けど』『けれど』『けれども』ぐらいだが、それなりに幅は出せる。
 この下に「漢語を多用する」や「皮肉屋」とでも性格を書いておけば、まず口調がブレることはないし、他のキャラとカブることも少なくなる。
 まあ、物語で重要になるのは下に追記した性格の方だが。

 このメモ方法は、「ござるが調」「なのれすけど調」などの巫戯けた語尾にも応用できる。
 これで無理があると思った語尾は採用しない方が無難だろう。接続詞を付けただけで違和感を発するような語尾で、まともな台詞が書けるとは思えない。
 例えば、「ですにゃん」はどう接続詞に繋げて良いものか。こういう考えすぎな口調は気持ち悪くなりがちに思う。
 もちろん、ナチュラルな繋ぎ方が浮かぶならしても問題ない。ついでに、自分に教えてくれれば有難い。

 そもそも、キャラクターがブレるのもカブるのも、(ハーレムものなら特に)まず有り得ない。
 同じキャラクターを複数書きたいなんて人間は、キャラが双子などでもなければそうそう居まい。勝手にカブるのは引き出しが狭いからだろう。
 仮に特定の属性を決めていたとしても、別の場所で差違が出てくるものだ。
 例えば、『シスタープリンセス』。十二人の妹がヒロインという屈指の変態作品である。
 この作品ではそれぞれの性格は当然として、なんと兄の呼び方まで全員バラバラだ。
 自分は「兄や」で腹筋がやられた。キャラ設定から見るに、この二人称は使用人である「爺や」からの連想のようだ。
 一般人に「兄」と「爺や」を結びつける人はなかなか居ないだろう。プロとアマの違いは意外とこういうところにあるのかもしれない。

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