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 噴火は大きく分けて、マグマが噴出する「マグマ爆発」と、地下水がマグマに熱せられて起こる「水蒸気爆発」がある。昨年9月の御嶽山の噴火は水蒸気爆発で、火口周辺に噴石を飛ばしたが、今回の口永良部島の噴火は、火砕流を伴うマグマ爆発の可能性が高いと専門家はみている。気象庁はただちにより大きな噴火となる兆候はみられないとしているが、今後、大規模な噴火が続く可能性があるとみる専門家もいる。

 鹿児島大の井村隆介准教授(火山学)は「テレビの映像では、噴煙が上がり、その一部が崩れて火砕流になったように見えた。約10年前から地震や火山ガスが増えるなど、地下でマグマがたまり、本格的な噴火に向けて推移してきた。昨年8月に小規模な噴火もあった。昨年の御嶽山のように寝耳に水の話ではない」と指摘する。

 「これで終わるとは思えない。大規模な噴火の始まりになる可能性がある。逃げられる場所が限られる離島なので、住民の避難をすみやかに進める必要がある」と話す。

 山岡耕春・名古屋大地震火山研究センター教授は「昨年8月の噴火から段階が進み、火砕流も見られたので、マグマを伴う噴火だと思う。どう進展するか予断を許さないが、マグマの供給が続くようだと、更に大きな火砕流が起きたり噴火が長引いたりする。注意して見ていく必要がある」と話す。

 防災科学技術研究所地震火山防災研究ユニットの棚田俊収副ユニット長も「噴火活動が短期間で終わるとは思えず、数カ月は注意深く見守る必要がある」とみる。ただ、噴火の様式や継続期間を予測することは現在の科学では困難だ。