Updated: Tokyo  2015/05/29 15:14  |  New York  2015/05/29 02:14  |  London  2015/05/29 07:14
 

日本電産永守社長:2030年までCEO続ける-売上高10兆円へ

Share Google チェック

  (ブルームバーグ):モーターメーカーの日本電産 の創業者、永守重信会長兼社長は85歳になる2030年まで経営トップを続ける意向を明らかにした。

創業から40年以上にわたり同社を率いてきた永守氏(70)は27日、京都市の本社でのインタビューで、連結売上高10兆円を目指す30年までは最高経営責任者(CEO)を続けるとし、目標達成まで「責任を持たないといけない」とその理由について話した。

永守氏は1973年に仲間3人と日本電産を創業。小型精密モーターを得意とし、パソコン用ハードディスク装置のモーターなどの需要拡大の波に乗ったほか企業の合併・買収(M&A)も繰り返して急成長。前期(15年3月期)には連結売上高が初めて1兆円の大台を突破した。今後は車載向けなどに販路を拡大し、高成長を続ける計画を掲げていた。

日本電産の急激な成長は猛烈な働きぶりと強力なリーダーシップで知られる永守氏の存在と切り離せず、決算短信にも事業上のリスクの一つとして為替リスクなどと並び、「会長兼社長である永守重信(氏)への依存」と記載している。

マッコーリー証券のアナリスト、ジョージ・チャン氏は永守氏の考えについて、「今後も日本電産の成長を続けていきたいという株主に対してのメッセージ」と受け止めるとした。その上で、30年までに売上高を約10倍の10兆円に伸ばす計画について「ありえない数字と思う人も多いだろうが、彼らはこれまでもそうした目標を実現してきた実績がある」と述べた。

猛烈な仕事ぶり変わらず

永守氏はインタビューで、1年365日休みなしで1日16時間働くという創業時以来の仕事スタイルを今も続けていると話した。体力をつけるため昨年、自宅にトレーニングジムを設置し、毎日約1時間ほど体を鍛えるなど万全の状態で仕事ができるよう体調管理にも気をつかっているという。

永守氏は、自身が現在兼務している社長職については後継者に譲って権限移譲を進める可能性はあるとした上で、「社長が来てもCEOは僕。僕が会長兼CEOになって次期社長が社長兼COOになるだけで変わらない」と話した。

日本電産で現在、代表取締役の肩書きを持つのが永守氏以外では外部から採用されて最高執行責任者(COO)を務める呉文精副社長と創業メンバーの小部博志副社長の2人。4月22日付の発表資料によると、シャープの元社長で昨年入社した片山幹雄副会長(最高技術責任者)も6月の株主総会を経て代表取締役とする計画だ。

記事に関する記者への問い合わせ先:大阪 堀江政嗣 mhorie3@bloomberg.net;東京 Jason Clenfield jclenfield@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Chua Kong Ho kchua6@bloomberg.net 浅井秀樹, 宮沢祐介

更新日時: 2015/05/29 08:00 JST

 
 
 
最新のマーケット情報を携帯でご覧いただけます。ぜひご利用ください。