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鹿児島・口永良部島で爆発的噴火 海岸まで火砕流5月29日 10時08分
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29日午前10時前、鹿児島県の口永良部島の新岳で爆発的な噴火が発生し、火砕流が新岳の南西側から北西側にかけての海岸まで到達したのが確認されました。気象庁は口永良部島に「噴火警報」を発表し、噴火警戒レベルをレベル5に引き上げ、島の住民の避難が必要だとして厳重な警戒を呼びかけています。
気象庁の観測によりますと29日午前9時59分ごろ、口永良部島のほぼ中央部にある新岳で爆発的な噴火が起き、噴煙が火口からおよそ9000メートルの高さまで上がり、火口の周辺に噴石が飛散しているのが確認されました。
また、噴火に伴って火砕流が発生し、新岳の南西側から、北西側の向江浜地区にかけての海岸まで到達したのが確認されました。
火砕流の到達が確認された地域の大部分は、去年8月の噴火のあと、立ち入りが規制されている場所に当たります。
気象庁は午前10時7分に口永良部島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」からレベル5の「避難」に引き上げ、火砕流の到達が予想される地域の住民に対して自治体の避難などの指示に従って厳重な警戒を呼びかけています。
気象庁が噴火警報を発表したのは、平成19年12月に噴火警戒レベルが導入されてから今回が初めてです。
また、噴火に伴って火砕流が発生し、新岳の南西側から、北西側の向江浜地区にかけての海岸まで到達したのが確認されました。
火砕流の到達が確認された地域の大部分は、去年8月の噴火のあと、立ち入りが規制されている場所に当たります。
気象庁は午前10時7分に口永良部島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」からレベル5の「避難」に引き上げ、火砕流の到達が予想される地域の住民に対して自治体の避難などの指示に従って厳重な警戒を呼びかけています。
気象庁が噴火警報を発表したのは、平成19年12月に噴火警戒レベルが導入されてから今回が初めてです。
噴火予知連「去年より規模大きい」
今回の噴火について、東京大学名誉教授で火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「最初に爆発的な噴火で噴煙が立ち上がり、すぐに噴煙の根元から火砕流が発生して海岸に向かって流れたのが見えた。マグマ水蒸気爆発が起きて一部の噴煙が崩れ、火砕流が西側の海岸に向かって流れたという状況だと思う。去年8月2日に起きた噴火と似ているが、もう少し規模が大きいと思う。この1回の噴火でだけで終わるのか噴火が継続するのか、注意して見ていく必要がある」と話しています。
マグマが直接関与と考えられる
鹿児島県の口永良部島に詳しい火山学が専門の京都大学の石原和弘名誉教授は、「映像からは黒い噴煙が勢いよく上がっているのが確認でき、噴火直後の噴煙の幅も少なくとも2キロ程度はあるように見える。去年の口永良部島の噴火と比べてはるかに規模が大きく、昭和41年や昭和6年の噴火に匹敵するとみられる。噴煙の色や規模から、今回の噴火はマグマが直接関与していると考えられる。住民の方は山からできるだけ離れ、自治体からの指示に従って行動して欲しい」と話しています。
口永良部島 約80世帯130人余りが居住
口永良部島は鹿児島県の屋久島の西北西、およそ15キロにある周囲の長さが50キロほどの島で、およそ80世帯、130人余りが住んでいます。
新岳では昭和8年から9年にかけて断続的に噴火が発生し、住民8人が亡くなるなど大きな被害が出ました。また、昭和41年の噴火では噴煙が火口から5000メートルの高さまで上がったほか、直径1メートルほどの大きな噴石が火口の北北東3キロにまで飛びました。
その後、昭和55年以降、噴火は起きていませんでしたが、去年8月に34年ぶりに噴火が発生し、山頂の火口から数百メートルの範囲に大きな噴石が飛んだほか、低温の火砕流の痕跡などが確認されました。
3月と4月に行われた気象庁の現地観測では、火口の西側付近の温度が上昇する異常が見られました。また、3月24日以降は、夜間に高温のガスなどが噴煙や雲に映って赤く見える「火映現象」が観測されました。
去年8月の噴火のあとも時折、火山性地震が発生し、ことし1月24日には一時的に増加したほか、今月23日には震度3の揺れを観測する地震が起きていました。
また、去年12月ごろから島の一部が僅かに膨張していることを示す地殻変動が続いていたということです。
火山噴火予知連絡会は、ことし2月、「口永良部島では、今後、火山活動がさらに高まり、マグマ噴火に至る可能性を示す変化も見られる」などという検討結果をまとめていました。
新岳では昭和8年から9年にかけて断続的に噴火が発生し、住民8人が亡くなるなど大きな被害が出ました。また、昭和41年の噴火では噴煙が火口から5000メートルの高さまで上がったほか、直径1メートルほどの大きな噴石が火口の北北東3キロにまで飛びました。
その後、昭和55年以降、噴火は起きていませんでしたが、去年8月に34年ぶりに噴火が発生し、山頂の火口から数百メートルの範囲に大きな噴石が飛んだほか、低温の火砕流の痕跡などが確認されました。
3月と4月に行われた気象庁の現地観測では、火口の西側付近の温度が上昇する異常が見られました。また、3月24日以降は、夜間に高温のガスなどが噴煙や雲に映って赤く見える「火映現象」が観測されました。
去年8月の噴火のあとも時折、火山性地震が発生し、ことし1月24日には一時的に増加したほか、今月23日には震度3の揺れを観測する地震が起きていました。
また、去年12月ごろから島の一部が僅かに膨張していることを示す地殻変動が続いていたということです。
火山噴火予知連絡会は、ことし2月、「口永良部島では、今後、火山活動がさらに高まり、マグマ噴火に至る可能性を示す変化も見られる」などという検討結果をまとめていました。