2015年5月29日11時25分
29日午前9時59分、鹿児島県屋久島町の口永良部(くちのえらぶ)島の新岳(標高626メートル)で爆発的噴火があった、と気象庁が発表した。噴煙は一時、9千メートルに達し、発生した火砕流が海岸まで到達したという。気象庁は同日午前10時7分、噴火警報を発表。警戒レベルを3(入山規制)から5(避難)に引き上げた。屋久島町は午前10時15分、口永良部島の全島民に島外避難を勧告した。
口永良部島は屋久島の西約12キロにある火山島で、住民は約130人。
鹿児島地方気象台は今年3月、口永良部島の新岳で、火口近くの噴煙や雲が赤く染まる火映(かえい)現象が観測されたと発表。今月23日には種子島近海を震源とする火山性地震があり、口永良部島で震度3を観測。「火山活動の高まりがうかがえ、今後爆発力が強い噴火や規模の大きな噴火が起こる可能性がある」としていた。
口永良部島の新岳は、昨夏に34年ぶりに噴火した。今年に入って噴煙に交じって放出される火山ガス(二酸化硫黄)の量が急増。専門家は、マグマの活動が活発化している兆候だとして、今後の噴火を警戒していた。昨年8月3日の噴火では、噴煙が高さ800メートルに達した。火口周辺では火山灰と熱風が高速で吹き付ける「火砕サージ」が発生。気象庁は噴火警戒レベルを1(平常)から3(入山規制)に引き上げた。約36平方キロメートルの島に住む人の約半分が一時、島外に自主避難した。
福岡管区気象台によると、今年に入って、山体がわずかに膨張傾向にあるとして、2月に「昨年8月と同程度の噴火はいつ起きてもおかしくない」とし、火口から半径2キロへの噴石の飛散や、火口の南西あたりで、海に至るような火砕流が発生する可能性があるとして、注意を呼びかけていた。
屋久島町は、口永良部島民の避難のため、町営のフェリー太陽を島に向かわせた。
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