【動画】「広島復興大博覧会」の映像=長岡省吾氏収集/広島平和記念資料館提供
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 広島平和記念資料館(広島市)で初代館長を務めた故・長岡省吾さん(1901~73)の親族が28日、長岡さんが原爆投下後に集めた瓦など約1万1900点を同資料館に寄託したと明らかにした。

 親族や資料館によると、長岡さんは広島に原爆が投下された45年8月6日の翌日に市内へ。表面が剝離(はくり)してささくれ立った岩石を見つけて「特殊な爆弾」と考え、影響を調べるために瓦や石などを集めた。すさまじい熱線で墓石や石段に残った人の影の方向や角度を調べ、爆心地の位置などを推定したという。寄託品には、調査時に使った手帳や瓦を集めた場所の地図、写真も含まれている。

 長岡さんが館長だった58年、「広島復興大博覧会原子力科学館」の会場となった資料館で、原子力の「平和利用」がPRされている様子をとらえた映像もある。次男の錬二さん(73)=広島市=は「おやじの努力を無駄にせず、その歩みを見直してもらい、感謝しています」とし、志賀賢治館長は「劣化防止策も含めて考えたい」と話した。(岡本玄)