<仙石線>あす全線再開 聞こえる復興の足音
JR仙石線は30日、東日本大震災以降、休止となっていた高城町(宮城県松島町)−陸前小野(東松島市)間の10.5キロで運行が再開され、4年2カ月ぶりにあおば通(仙台市)−石巻間(49.0キロ)の全線がつながる。合わせて東北線を経由して仙台−石巻間(47.2キロ)を最短52分で結ぶ仙石東北ラインも開業する。沿線の被災自治体間を結ぶ輸送力や利便性が高まり、復興の加速が期待される。
JR東日本仙台支社によると、仙石線は1日上下計195本運行する。このうち、あおば通−石巻の列車は上下計38本で、両区間を約1時間半でつなぐ。
仙石東北ラインは特別快速と快速列車限定。仙石線と東北線の間に設けた接続線を通過し、仙台−石巻間を1日上下計28本運行する。ディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせた新型のハイブリッド車両が導入される。
全線再開に伴い、不通区間の代行バスは29日で運行を終了する。
震災で全線が運休した仙石線は、発生17日後のあおば通−小鶴新田(仙台市)間を皮切りに運行を順次再開、仙台近郊の区間は2011年に復旧した。東松島市の陸前大塚−陸前小野間(5.2キロ)は海岸線沿いの線路が流出し、区間内の東名、野蒜両駅の被害が大きかったため、両駅を約500〜600メートル内陸側に移設し、ルートも変更した。
松木茂仙台支社長は28日の定例記者会見で「不通区間の住民にはバス代行などで不便な思いをさせてきたが、運行再開で沿線の復興、発展に寄与していきたい」と話した。
2015年05月29日金曜日