レポート

「技術ってすばらしい!」エンジニアがワクワクできるイベント~日本マイクロソフト,de:code 2015を開催

この記事を読むのに必要な時間:およそ 4.5 分

10億台のデバイスに搭載されるWindows 10がもたらすチャンス

キーノートの後半は,Windows 10を中心としたモバイル・クライアントに関する技術紹介・技術解説が行われました。スピーカーを務めたのは,米Microsoft Senior Director in ther Developer Experiecne & Evangelism groupのGiorgio Sardo氏です。

Windows 10を中心に,クライアントサイドやモバイルについて発表を行った米Microsoft Senior Director in ther Developer Experiecne & Evangelism groupのGiorgio Sardo氏

Windows 10を中心に,<wbr/>クライアントサイドやモバイルについて発表を行った米Microsoft Senior Director in ther Developer Experiecn

Giorgio氏は,「Windows 10のリリースに伴い,世界にある10億台のデバイスを対象とした巨大なターゲット市場が生まれる」とし,さまざまなチャンスがエンジニアにもたらせることを紹介しました。

たとえば,Windows Helloを利用したユーザ認証を使えば,信頼性の高いマルチログイン環境を実現できます。また,Windows 10をターゲットにしたアプリを開発すれば,いつでもどこでもどんなデバイスでも利用できるとし,その先行事例として,現在開発が進められている楽天ゲートウェイのアプリデモや,Fabrikamというドロー・モデリングツールの実演パフォーマンスおよびソースコード紹介が行われました。

再び登場した高橋氏。Windows 10の採用事例として先行開発が進められている楽天ゲートウェイのアプリの紹介とともに,Windows 10が目指すUniversal Windows Platformの世界観とそれを支える技術について解説した

再び登場した高橋氏。Windows 10の採用事例として先行開発が進められている楽天ゲートウェイのアプリの紹介とともに,<wbr/>Windows 10が目指すUniversal Windows Platformの世界観とそれを支える技術について解説した

続いて,Fabrikamというドロー・モデリングツールを用いて,Windows 10が持つ描画機能,また,事前に用意されているAPIの多様性について説明を行った

続いて,<wbr/>Fabrikamというドロー・<wbr/>モデリングツールを用いて,<wbr/>Windows 10が持つ描画機能,<wbr/>また,<wbr/>事前に用意されているAPIの多様性について説明を行った

これらについて,Giorgio氏と先ほども登場した高橋氏が「(Windows 10)はUniversal Windows Platformとして,設計・開発・デバッグの観点でエンジニアをサポートする」ことについて,コードとともに紹介しました。

4つのBridge

さらにアプリケーション開発に関する発表は進みます。次は,ターゲットを4種類挙げ「4つのBridge」として,「Web」「.NET&Win32」「Android Java/C++」「iOS Obgective C」,それぞれのターゲットに向けた開発環境と実行環境に関して説明が進みました。

まず最初に紹介されたのは「これは私が最も好きなジャンルなんです」という前置きから説明がスタートした「Web」,そして,Microsoftの新しいWebブラウザ「Microsoft Edge」です。

Microsoftの次期Webブラウザ「Edge」のベンチマーク

Microsoftの次期Webブラウザ「Edge」のベンチマーク

ここでは,さまざまなベンチマークによるEdgeと既存のIntenet ExplorerおよびChromeやFirefoxなどの他ブラウザとの比較です。数値から,とても高いパフォーマンスを実現することをアピールしました。

さらに,もう1つ,Hosted Web AppsというテーマでWebアプリケーションとネイティブアプリケーションの相互運用性の高さも取り上げられました。

Hosted Web Appsの例として紹介されたフライトシミュレーターゲーム「FLIGHT ARCADE」。Giorgio氏が左手にしているスマートウォッチをコントローラとして操作することもできた

Hosted Web Appsの例として紹介されたフライトシミュレーターゲーム「FLIGHT ARCADE」。Giorgio氏が左手にしているスマートウォッチをコントローラとして操作することもできた

続いて,.NET&Win32アプリケーション,Android(Java/C++)+iOS(Objective C)など,異なるデバイスにも対応したソースコードとバイナリの説明が行われ,最後に,IoTをテーマとして,Raspberry Pi2にWindows 10をインストールし,Windows Azureをインフラとしたマシンラーニングのデモンストレーションが行われました。

デモンストレーションにあたっては,テクニカルエバンジェリストのDrew Robbins氏と井上章氏が登壇し,コミカルなパフォーマンスが行われ,会場を沸かせました。

IoTの世界を実現したWindows 10。Raspberry Pi2にインストールし,Windows Azureと連動させることで牛の体調をチェックするという,富士通が開発したマシンラーニングのデモ

IoTの世界を実現したWindows 10。Raspberry Pi2にインストールし,<wbr/>Windows Azureと連動させることで牛の体調をチェックするという,<wbr/>富士通が開発したマシンラーニングのデモ

ゲーム&グラフィックス,そして,HoloLensの未来

続いて,再び外部企業からのゲストが登壇しました。スクウェア・エニックスで今までにないものを創造する部門として設立された第2ビジネス・ディビジョンのメンバーです。「私たちのモットーはワクワクしないものは作らない」ですと,チームが持っているクリエイティビティへの自信が伝わるコメンとともに紹介されたのが,Windows 10上で開発が進められているFINAL FANTASY AGITO,そして,アートとテクノロジーの融合をテーマに創られたリアルタイム動画「WITCH CHAPTER 0 [cry]」です。

このクオリティのゲーム,グラフィックスが,コンシューマユーザでも体験できる未来がすぐそこにまで近づいていることが体感できる一コマとなりました。

スクウェア・エニックスのデモで紹介された「WITCH CHAPTER 0 [cry]」。アートとテクノロジーの融合をテーマに,非常に精密でリアリティのある映像が紹介された。フルHDかつ4K,そして,描かれている人物の髪の毛は実際の人間とほぼ同等の本数を自動生成プログラムも併用してモデリングしているとのこと

スクウェア・<wbr/>エニックスのデモで紹介された「WITCH CHAPTER 0 [cry]」。アートとテクノロジーの融合をテーマに,<wbr/>非常に精密でリアリティのある映像が紹介された。フルHDかつ4K,<wbr/>そして,<wbr/>描かれている人物の髪の毛は実際の人間とほぼ同等の本数を自動生成プログラムも併用してモデリングしているとのこと

グラフィックス関連の締め括りは,先日のBuild 2015で発表され,多くのエンジニア・クリエイターたちの注目を集めた現実空間にホログラムを投影する「HoloLens」の紹介動画でした。

先日のBuild 2015で発表され,エンジニア・クリエイターの注目を集めたHoloLensのデモ動画。まさに昔の映画で描かれていた未来が現実になってきたと言える

先日のBuild 2015で発表され,<wbr/>エンジニア・<wbr/>クリエイターの注目を集めたHoloLensのデモ動画。まさに昔の映画で描かれていた未来が現実になってきたと言える

著者プロフィール

馮富久(ふぉんとみひさ)

株式会社技術評論社クロスメディア事業部電子出版推進室室長。

1975年生まれ。横浜市出身。1999年4月株式会社技術評論社に入社。入社後から『Software Design』編集部に配属され,2004年1月に編集長へ就任。同2004年9月に『Web Site Expert』を立ち上げ,同誌編集長に就任,現在に至る。その後,2008年9月に設立したクロスメディア事業部に配属。現在,電子書籍を考える出版社の会の事務局長やWebSig 24/7のモデレーターを務める。過去にIPAオープンソースデータベースワーキンググループ委員やアックゼロヨン・アワード他各賞審査員などの経験を持つ。

Twitte ID:tomihisa(http://twitter.com/tomihisa/

コメント

コメントの記入