八代市─鹿児島県薩摩川内市を結ぶ第三セクター・肥薩おれんじ鉄道(八代市)の淵脇哲朗社長は28日、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」の路線乗り入れに向け、同社と協議を進めていることを明らかにした。
停車中の「ななつ星in九州」
「ななつ星」は2013年10月に運行開始。高級感あふれた内外装や、料理へのこだわりで、予約が平均20倍を超える人気を誇っている。阿蘇や由布院などをめぐる博多発の2コースで九州各県を通過するが、九州南西部は通らない。
肥薩おれんじ鉄道の路線は全長116・9キロで、不知火海沿いを走り、海に沈む夕日の美しさは観光スポットとして知られ、沿線には日奈久や湯の児など温泉街も点在している。
両社の関係者によると、路線乗り入れは、「ななつ星」の運行コース設定時から構想に含まれており、昨年夏ごろから協議が始まった。
JR九州は新たな運行コースの開発で、リピーターの獲得増を期待。肥薩おれんじ鉄道は沿線の景観に注目が集まることで、同社が運行する観光列車への波及効果が見込めるとみている。
JR九州は「乗り入れ可能かどうか、技術的な検討をしている段階」。淵脇社長は「(乗り入れは)早ければ来年とJR九州から要望されている」と語った。(上田良志、九重陽平)
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