ベンチャーの表彰制度について考えてみよう

前回のポエム、1000イイねありがとうございました。

私調子にのってしまいまして、今日は「表彰制度」について考えてみようと思います。

大事だなーと思ってます。表彰制度。上司部下とのコミュニケーション促進だけでなく、会社としてどのような行動が評価されるか、という文化浸透のための制度であると思います。

ちょっと図を書いてみました。いわゆる「普通の表彰制度」とは、「A群」のブロックに入りますよね。数字で表しやすく、さらに表に出やすい、アピールしやすいものです。営業の販売数字の達成にしたがって、インセンティブを付与する、「営業インセンティブ」なんかはここに入ります。ただですねぇ、私「営業インセンティブ」って嫌いなんですよ。これは経営者としての好みの問題だと思いますけど。キャプチャ

営業インセンティブ出すと、確かに営業は加速しますよね。それはいいんです。ですが、その製品を作ったエンジニアはどう思うでしょうか。エンジニアもらえませんよね。そうすると、フェアじゃないです。過去の経験でも、営業が盛り上がり、エンジニアが冷えている事があったりしました。

テクノロジーをウリにしている会社が、この表彰制度は採れません。私ここのフェアネスは結構大事だと思ってるのですね。過去の経験からも。営業しかいない組織だとOKなんだろうなぁと思います。

なのでFringe81では、A群、B群とともに、「数字で表しやすい」部分の給与的なインセンティブは「全廃」しています。四半期で評価はしてますので、著しい成果を出した人には成果給を出すことはありますが、「この製品売れたら●●円」という事はやめました。

その代わりどうしているかというと、「ほめまくる、ほめまくられる」ことです。それだけです。

年間計画を達成したら、エンジニアも営業も人事も経理も関係なく、貢献度に応じて何らかのインセンティブ(給与でないモノもあり)が得られるポリシーです。そうするのが、「フェア」だよね、という考え方なんです。

問題は、数字で表しにくく、表出しにくい「D群」をどうするかです。目立たないんだけど、会社にとってはものすごい貢献をしていることって良くあるじゃないですか。例えば、行動指針通りのカッコイイ事を成し遂げた時で、かつアピールがへたな場合。どうしますか?褒めまくりたいですよね。

ここをカバーするためにどういった表彰制度を創るか、色々悩んだあげく社長の私が勝手にはじめたのが、「発見大賞」です。

発見大賞とは、弊社人事いわく、

『発見大賞とは、「新しい発見」を大事にするFringe81独特のMVP選出制度です。
毎月、社員のメンバーは、自分以外のメンバーの行動や成果から、その人の新しい一面として気づいた点や、みんなに知ってほしい!と思った点などをまとめて、投稿をします。
その中から、一番ステキな「発見をされた人」を全員で投票によって選び、賞賛するMVP制度です。』

この「発見大賞」がですねー、勝手にはじめてみて言うのもなんですが、いいんですわ、ほんとに。図の「D群」をどう表彰するか、が本当に大事で、これが企業文化の源だ、と言っても過言ではないと思います。

Fringe81のビジョンは、「新しい発見をもとに、地球の未来を創る集団」という永遠の中二病感あふれるものなんですね。なので、目立たなくてもすごく貢献をした人をたたえよう、発見しようと思って作りました。ちょっといくつか大賞ノミネート作品を見てみましょう。

●●ちゃん

●●さんのバディになって1ヵ月経ちましたが、彼女は本当に素晴らしいなと思う所がたくさんあります。
心から素敵な子だなと思いますし、バディになれたことをうれしく思っています。
★とにかく素直で正直なところ

今後、力を延ばすために、もっとも必要かつFringe81の文化にフィットしている長所だと思います。
何かを見聞きした時、素直に受け取って素直に感動し素直に受け取ってくれます。
彼女の性質と、周りの環境の良さと、それを惹きつける彼女自身の功績だと思います。
自分の欠点や短所もそのまま受け止めていて、それを改善しようと今もがいています。
「パソコンが苦手!周りの新卒がすごくてついていくのが大変!」と入社当社は言っていましたが、
ふたを開ければ、テストもすぐ復習する、与えられた課題はすぐに実施する、言われなくても動く等、
大事な要素をいっぱい備えていてすごいなと思いますし、周りにも良い影響を与えてくれます

●さん(正式にはレオさんらしいです)

皆さんの見えないところですが、横綱級の活躍をしてくれてます。4月入社にも関わらず。
インフラ周りはTECの他のメンバーがそこまで強くない所で、
コード書きながら派遣の面倒見ながらあくせくしつつ進めていました。
それをインフラ周りを細やかに整えていく姿は全盛期の若乃花のようです(言いたいだけ)。

愛の●●

▲▲さんのOJTを担当しているのですが、
その姿勢、言動、すべてに愛が満ち溢れています。
超丁寧です、お姉さんを通り越して母性を感じるほどです。

■■さん

この人も7月に入社してファーストインプレッションは夏の納会@話題の六本木のClub跡地。では元アパレルであやしげなだてメガネしておしゃれぶってて仕事できるのかしら?という疑いもありましたが、自分の意見をしっかり持ちつつ協調性もあり数か月一緒に仕事をしてきて信頼関係もでき(たのかな?)たせいか、非常に気持ちの良い人だということを改めて発見しました。


いかがでしょうか。いい感じじゃないすか?普段目立たなくても、人知れずすごい貢献している事ってあると思うんです。私は、そのような社員を大いに褒め称え、ほめまくる文化にしたいのです。

その他の表彰制度としては、「月報大賞」というのがあります。これは、社員それぞれが、「月報」を出して、成果をアピールし、そのアピールに対して無記名投票でMVPを決めるものです。これで「A群とB群」の表出しやすいところはカバーしています。我々、全くA群とB群をやってないわけではないんです。ただ、わかりやすい給与というインセンティブとはリンクしてないんです。

もうひとつ、制度をご紹介します。これは、「パクリマクリスティからのマンデーセレクション」というやつです。お前は何を言ってるんだという感のネーミングですが、これはとある事業部から突然出てきたもので、こういう事業部から勝手に制度が作られてくのは最高にいいなと思っています。

パクリマクリスティ」とは、(自分でネーミング考えてないからなんだか恥ずかしくなってきたわいw)営業やコンサルタントがどれだけ他の人からノウハウをパクったか、パクられたか、をカウントして評価しようという試みです。例えば、「受けた営業トーク」であるとか、「成果の出た広告運用」とか、表彰しにくいけど重要なものってありますよね。ノウハウ共有会とかはありますけれども、それぐらいに留まってしまいます。これを表彰しやすいものにするため、それをパクった数、パクられた数、両方をポイント化して評価し、最終的には「マンデーセレクション」という全体会議で全社員の前で褒められまくる、ということをやっています。

なんかですねー、お金がからむと褒めにくくないですか?僕は社会人のまだペーペーだったころは、人間として小さかったので、インセンティブ出てる人を褒めまくるのが嫌だったということもありましたよw

だから、わかりやすい金銭的なインセンティブではないのです。心から、褒める、称賛する、こういう文化でありたいと思います。

まとめるとこんな感じです。Fringe81では、A群、C群などの数字で表しやすいものに対し、給与という形でインセンティブは出しません。もちろん、ほめたたえまくりますけれども。

キャプチャ2

やはりこう書いていくと、Fringe81で最も重要なものは、D群にある「発見大賞」です。これは行動指針を達成しているか、に直結しますので。これも、ほめまくりたいのです。

経営者がどんどんスピードをもって制度を創ること(定着しなかったら即廃止すること)

事業部ごとに見えにくくなりがちなものを数字でカウントしやすくして、表彰するものが勝手に出てくるこ

これを今後も大事にしていきたいなと思います。

他にもいろんなベンチャーでイケてる表彰制度があると思いますので、ぜひ教えていただきたいです。「表彰制度研究会」とか創りたいくらい、好きです、はい。