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大井川鉄道、再生支援申請

◆政府系機構に 名鉄は撤退へ

 経営不振が続く大井川鉄道(大鉄、本社島田市)が二十八日、政府系の地域経済活性化支援機構(東京都)に事業再生支援を申請したことが、関係者への取材で分かった。

 蒸気機関車(SL)を運行して保存していることで知られる大鉄は、東日本大震災や関越自動車道のツアーバス事故をめぐる法改正などが、収益の九割を占める観光鉄道事業を直撃。ツアー客が減少し、二〇一一〜一三年度は三期連続の赤字となった。

 昨夏に運行し人気を博した「きかんしゃトーマス」の効果もあり、一四年度決算では四期ぶりに黒字転換する見通しだが、安定的な収益改善にはつながっていない。一四年度末の借入金残高は約三十五億円、年間金利も八千万円を超え、経営を圧迫している。

 このため、大鉄は地域経済活性化支援機構に支援をもとめる方針を固め、二十八日の取締役会での承認を経て支援を申請したという。今後は同機構の仲介によって新たなスポンサーからの出資を受けるとともに、支援を受ける金融機関などとの調整を進め、経営再建策をまとめる。持ち株比率約10・5%で大鉄の筆頭株主として経営に参画してきた名古屋鉄道は、将来的に経営から撤退するとみられる。

 大鉄の伊藤秀生社長は取材に「今の段階でお答えすることはありません」と話した。

 地域経済活性化支援機構は「公表しておらず、コメントは控えたい」としている。

 <地域経済活性化支援機構> 2009年に企業再生支援機構として設立され、13年に改組した。政府と民間金融機関が出資。有用な経営資源を持ちながら過大な債務を負っている中小企業などの事業再生と、地域経済活性化に資する事業活動の支援を行う。支援には機構による債権の買い取りや出資、融資、経営人材の派遣などがある。

 

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