(2015年5月26日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

ナイジェリア大統領選、野党候補が勝利 初の民主的政権交代へ

きょうナイジェリア大統領に正式就任するムハンマド・ブハリ氏(中央)〔AFPBB News

 ナイジェリアの次期大統領、ムハンマド・ブハリ氏の顧問らは、アフリカ最大の経済の企業活動を事実上の停止状態に追い込んだ燃料不足を軽減することを目指し、多国籍石油企業と交渉している。

 3月末の選挙でナイジェリア史上初めて現職大統領を追い落とす野党候補となったブハリ氏は5月29日、ナイジェリアが経験した中で最悪の部類に入る燃料危機の真っ只中で宣誓就任する予定になっている。

 ナイジェリアの大手銀行、ギャランティ・トラスト・バンクは25日、普段より早く店じまいした。各支店で発電機を動かすための軽油が不足していたためだ。

 航空燃料不足のために、航空会社は国内線を減便し、国際線は経路が変更された。また、携帯電話事業者3社は、即座に対策が講じられなければ、会社の通信網の機能が低下すると警告した。

ジョナサン政権の「未払金」を払え!

 退任するグッドラック・ジョナサン大統領の政権が積み上げたとされる10億ドル以上の未払い金を巡って燃料販売業者が論争を繰り広げる中、燃料危機はここ数週間、ナイジェリアにジワジワと忍び寄ってきていた。

 ある販売業者の上級役員によれば、25日夜遅くに交わされた販売業者団体との協定で、「今後7~14日間で」石油供給が改善されることになるという。しかし同氏は、ナイジェリアの燃料在庫は約2日分しかないと言う。

 ンゴジ・オコンジョ・イウェアラ財務相の報道官は、販売業者は2000億ナイラ(10億ドル)の支払いを求めていると述べた。財務相はまず請求の正当性を検証することを望んでいるが、「販売業者はこれに抵抗し、滞納分を支払わなければ、燃料を供給しないと言っている」という。

 そうした販売業者の1社の上級幹部は、1月までの未払い金はむしろ15億ドルに近い額だと主張する。燃料不足を悪化させたのが、タンクローリー運転手たちのスト――運送料金の未払いを巡る抗議――とナイジェリア国営石油公社(NNPC)でのストだ。