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【ソウルから 倭人の眼】
現実無視できず プライドも捨てられず「孤立」憂う韓国の“独り相撲”
そんな中、今月中旬にソウルで日韓経済人会議が開かれた。東京から取材に来ていた経済担当の記者によると、会議では圧倒的に韓国側からの前向きな姿勢や熱気が感じられたという。また、朴槿恵大統領のあいさつする姿を見た財界人によると、朴大統領は終始笑顔を絶やさず、アドリブも交えて熱弁をふるった。日韓経済協力の重要性をしきりに訴えていたそうだ。「あの熱意とノリで対日関係改善に取り組んでもらいたいものだ」(同財界人)との声さえある。
それほど、韓国は今後の経済を不安視しており、同時に、それだけ日本が大事な国だということを身にしみて感じている。経済の実態を知る韓国の財界関係者や、経済担当の記者と話していると、非常に強く感じる。
今回の会議ほどの規模ではないが、2月にソウルで日韓の某新聞社が共催するシンポジウムが開かれた。日本側から4人ほどのパネリストが招かれたこの時も、韓国側の参加者が多く、時間がオーバーし足りなくなるほどの盛況ぶりだった。
歴史認識では反発の声が強いものの、一方で「経済再生には日本との関係改善が必要だ」と強く思う人々も多い。現実を認めざるを得ないのが、韓国の実情なのだ。
過剰な期待と落胆
日韓経済人会議での盛り上がりに見られるように、韓国では特に経済面での日本への期待感が強い。ただ、日韓関係が険悪な中、経済人会議が開かれたからといって、どこまで日韓の協力が進むのかは分からない。