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競泳・冨田選手に有罪判決 カメラ盗んだ罪
5月28日 14時16分

競泳・冨田選手に有罪判決 カメラ盗んだ罪
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去年のアジア大会で韓国メディアのカメラを盗んだ罪で起訴された競泳の冨田尚弥選手の裁判で、韓国の裁判所は冨田選手が盗んだ事実は十分認定できるとして、日本円でおよそ11万円の罰金の支払いを命じる有罪判決を言い渡しました。
冨田尚弥被告は、去年9月に韓国のインチョン(仁川)で行われたアジア大会の競泳会場で、韓国メディアのカメラを盗んだ罪で略式起訴され、捜査の過程では盗んだことを認めていましたが、帰国後一転して否定し、正式な裁判を請求しました。これまでの裁判で、検察側は犯行の瞬間だとする防犯カメラの映像や警察署での取り調べの様子を映した映像も法廷で公開し、冨田選手の犯行に間違いないとしていましたが、冨田選手は「競泳会場の映像の人物は自分ではなく、映像も不鮮明だ」などとして無罪を主張していました。
28日の裁判でインチョン地方裁判所は「捜査段階で犯行を認めており、被害者に謝罪までしている」と指摘したうえで、何者かがカメラをカバンに無理やり入れたという主張についても「奇妙で信じがたい」と述べました。そして、「カメラを盗んだ事実は十分認定できる」として、冨田選手に求刑どおり罰金100万ウォン(およそ11万円)の有罪判決を言い渡しました。

冨田選手「悔しくてたまらない」

判決のあと冨田選手は記者団に対し、用意した紙を読み上げ、「主張が認められずまことに残念だ。悔しくてたまらない」と述べました。そして「防犯カメラの映像は不鮮明で、カメラから取り外されていた望遠レンズからは自分の指紋も確認されていない」として判決は不当だと訴えました。
また、取り調べ段階で犯行を認めたことについて、通訳から「犯行を認めないと、みんなと一緒に帰れない」などと言われたからだと説明し、「私は絶対に盗んでいません」と改めて無罪を主張しました。
また、これまでの経緯を振り返っての感想を聞かれ、「長かった」と疲れた様子で述べました。

日本水泳連盟「しっかり受け止めたい」

冨田選手に有罪判決を受けたことについて、日本水泳連盟の泉正文専務理事は「判決は司法当局が審議した結果なので、しっかりと受け止めたい。同時に、私たちは再発防止のため選手の教育を進めているところなので、もう一度、襟を正して取り組んでいきたい」と話していました。

帰国後一転 無実主張

冨田選手は愛知県出身の26歳で、身長1メートル74センチの平泳ぎの選手です。オリンピックの出場経験はありませんが、2009年と2011年の世界選手権では日本代表に選ばれました。
2010年に中国・広州で行われたアジア大会では、男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得しました。
インチョンアジア大会では、50メートルと100メートルの2種目に出場しましたが、50メートルでは予選敗退、100メートルでは4位に終わり、メダル獲得はなりませんでした。
事件が起きたのは去年9月、インチョンアジア大会の期間中でした。9月25日の昼ごろ、インチョン市内の競泳会場でプールサイドの撮影エリアにあった韓国メディアのカメラを盗んだとして、警察の事情聴取を受けて盗んだことを認め、略式起訴されました。
これを受けてJOCは冨田選手を日本選手団から追放し、10月30日に日本水泳連盟は、2016年3月31日までの選手登録停止処分を決めました。
ところが、帰国後の11月6日、冨田選手は記者会見を開き「僕は盗んでいません」と述べて、一転、無実を主張しました。この会見で冨田選手は、「カメラは見知らぬ男から自分のバッグに入れられた。警察で見た防犯カメラの画像でも自分がカメラを盗んだ場面は写っていなかった。否認しなかったのは、韓国に残って日本に帰れなくなることが不安だったからだ」などと説明しました。
これについて、インチョンの地方検察庁は「防犯カメラにはカメラからレンズを取り外す場面と犯行現場に出入りする場面が映っている。JOCの担当者を呼んで映像を見せ冨田選手だと確認した」と反論しました。また、JOCも「現地でJOCの役員が防犯カメラの画像を確認している」と話しました。
冨田選手は略式命令を受けて罰金を支払っていましたが、これを不服として11月19日に正式な裁判を請求しました。そして、ことし1月12日に開かれた初めての裁判では、出廷した冨田選手は「カメラを盗んだ事実はない」と述べて否認し、全面的に争う姿勢を示していました。

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