御嶽山噴火:噴石は時速540キロ 富士山科学研試算

毎日新聞 2015年05月28日 19時07分(最終更新 05月28日 21時49分)

山頂の御嶽神社奥社に向かう階段脇で、噴石により胴体部分が破壊されたこま犬=2014年11月8日(火山噴火予知連絡会総合観測班提供)
山頂の御嶽神社奥社に向かう階段脇で、噴石により胴体部分が破壊されたこま犬=2014年11月8日(火山噴火予知連絡会総合観測班提供)

 昨年9月の御嶽山(長野・岐阜県境、標高3067メートル)の噴火で、噴石が火口から最大でリニア中央新幹線並みの時速540キロで飛散したとの試算を山梨県富士山科学研究所の常松佳恵研究員(火山物理学)らがまとめ、28日の日本地球惑星科学連合大会で発表した。

 常松研究員らは、噴石で地面に開いた穴の分布状況などをもとに、噴石が火口から放出された際の速度を計算した。その結果、噴石は時速360〜540キロの速さで火口から飛び出したとみられる。

 御嶽山の噴火では、57人が死亡したが、多くは頭などに噴石が当たったことが原因だった。常松研究員は「噴火後では逃げられない速さだ。噴火が迫った場合の避難区域をどこに設定するかを議論する参考にしてほしい」と話している。【久野華代】

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