野党・民主党(現・新政治民主連合)の鄭国教(チョン・グッキョ)元議員(55)のボディーガードが、暴力団員を刃物で刺し重傷を負わせたといううそをつき、鄭元議員から8億ウォン(約8900万円)を脅し取ったとして、ソウル中央地検強行部(沈載哲〈シム・ジェチョル〉部長)は26日、大田市の暴力団「ハンイル派」の構成員のJ容疑者(42)を特定経済犯罪加重処罰法の恐喝罪で逮捕・起訴した。鄭元議員は2008年4月の国会議員総選挙で、民主党から比例代表候補として当選したが、公職選挙法違反罪に問われ、09年7月に罰金1000万ウォン(約110万円)の判決が大法院(日本の最高裁判所に相当)で確定、議員の職を失った。
検察によると、2007年11月、鄭元議員から警護を依頼されたハンイル派の元組長(12年死亡)は、部下のJ容疑者に鄭元議員の警護を担当させた。J容疑者は鄭元議員を脅して金を巻き上げる計画を立て、鄭元議員の会社に投資して被害を受けた大田市の暴力団「ワンガ派」と手を組んだ。
ワンガ派の構成員らは07年11月、鄭元議員が住んでいた大田市内のマンションの前で、車を降りた鄭元議員に近付いた。ワンガ派の構成員らと、鄭元議員を警護していたハンイル派の構成員らはもみ合いになり、恐怖を感じた鄭元議員は現場から逃げたという。J容疑者らは鄭元議員の元を訪ね「○○(ワンガ派の構成員)が刃物で刺されたと言っている。示談しなければ、うちの若い者らは『兄さん(鄭元議員)が刺せと指示した』と言わざるを得ず、○○が死んだら、兄さんは殺人教唆の罪に問われることになる」などと言って、鄭元議員を脅していたことが分かった。
鄭元議員は刃傷沙汰があったというJ容疑者らのうそにまんまとだまされた。結局、鄭元議員は07年12月、会社の金でJ容疑者らに8億ウォンを渡したことが分かった。本紙は鄭元議員の話を聞くため連絡を試みたが、全く返答はない状況だ。