軍事力強化の思惑を隠さない中国

 中国軍が26日、国防白書で陸海空軍の作戦範囲を拡大し、海洋主権の強化を表明する一方、日本は7月に米国、オーストラリアが太平洋で行う大規模軍事演習に初めて参加することを決めた。米国は北朝鮮などの弾道ミサイルの脅威に備え、ハワイのミサイル探知システムを強化する計画だ。アジア太平洋地域の軍事覇権をめぐり、米中日による「三国志」が本格化している。

 火薬庫は南シナ海だ。中国は南シナ海に滑走路などを備えた人工島7カ所を着工し、導火線になった。これについて、米国はフィリピンと過去最大規模の海上軍事演習を実施したのに続き、オーストラリアとの軍事演習に日本を引き入れることで対抗した。日本は中国をけん制するため、尖閣諸島(中国名・釣魚島)がある東シナ海を超え、南シナ海にも進出しようとしている。日本がオーストラリアに最新鋭の潜水艦を売却しようとしていることも米国、日本、オーストラリアが編隊を組み、中国を包囲する狙いがある。

 中国国防省の楊宇軍報道官は、南シナ海で緊張が高まっていることについて、「関連国(米国)が中国の海域に対する低空飛行を増やしたことが一因だ」と述べ、米国に矛先を向けた。

 中国の今年の国防白書は米日の包囲網を突破し、アジア太平洋地域の軍事覇権を掌握することに焦点を合わせた。その核となるのが海軍力だ。白書は「重陸軽海(陸軍重視、海軍軽視)の伝統的な思考を突破しなければならない」と記した。中国軍は伝統的に陸軍中心だった。中国全土を7つの軍区に分け、防衛主体の戦略を取ってきた。これに対し、今年の白書は「海軍は近海防衛型から遠洋護衛型が組み合わされた形へと転換すべきだ」と指摘した。「近海防衛だけでは海岸の安全を守れない」とも書いた。「大洋海軍」の夢を目指す姿勢と言える。特に「海軍は反撃能力と共同作戦能力を養うべきだ。現代的海上軍事力を構築し、主権と海洋権益、戦略的(海上)ルートを守っていく」と強調した。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
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