蒸気機関車(SL)の運行で知られる大井川鉄道(静岡県島田市)は28日、政府系ファンドの地域経済活性化支援機構に事業再生支援を申し込む方針を固めた。筆頭株主の名古屋鉄道も同意する方針。支援事業者が決まれば、名鉄は本業との相乗効果が見込めないため、大井川鉄道の経営から撤退する見通しだ。
大井川鉄道は1925年設立で、2路線計65キロメートルを運行する。沿線人口の減少と観光収入の低迷で2014年3月期まで3期連続の最終赤字を計上。本線の運行本数を約4割削減するなどして経費削減を進めていた。
同社は60年代にも経営危機に陥り、名鉄の支援を受けた経緯がある。76年からは全国に先駆けて観光SLを運行し、昨年は人気キャラクター「きかんしゃトーマス」に改装したSLが人気を集めた。
地域支援機構は熊本バス(熊本市)など地方交通の再建支援も手がけている。
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