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【戦後70年】「ラストエンペラー」ゆかりの写真や手紙…激動の時代を駆け抜けた貴重な資料公開

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【戦後70年】
「ラストエンペラー」ゆかりの写真や手紙…激動の時代を駆け抜けた貴重な資料公開

昭和12年、結婚式直前に撮られた愛新覚羅溥傑と浩の写真(関西学院大博物館提供)

 清朝最後の皇帝で「ラストエンペラー」として知られる愛新覚羅溥儀の実弟、溥傑(1907~94年)の次女で、兵庫県西宮市在住の福永●(=女へんに雨、その下に誇のつくりで大を取る)生(こせい)さん(75)が所蔵していた、愛新覚羅家ゆかりの写真や手紙などを展示した企画展「愛新覚羅家の人びと」が、同市上ケ原一番町の関西学院大博物館で開かれている。7月18日まで。

 福永さんは平成25年、同博物館のオープンにあわせ愛新覚羅家ゆかりの写真など約千点を寄贈。今回はこのうち約60点が公開されている。

 溥傑は来日していた昭和12年、昭和天皇の遠縁にあたる嵯峨浩(ひろ)と結婚。福永さんら2人の娘に恵まれた。しかし、日本の敗戦に伴い満州国が消滅し、溥傑はソ連の収容所に収容された。福永さんらは中国から命からがら引き揚げ、一家が再会したのは36年だった。その後、福永さんは日本に帰化し、結婚。47年の日中国交正常化後、溥傑や浩は、両国を行き来しながら日中の友好の懸け橋になろうと努めた。

 企画展では、溥傑と浩の結婚式前の写真や、離れていたときにやりとりした手紙、溥傑が家族と中国で再会した際に喜びの言葉をしたためた清朝時代のうちわなどが展示されている。

 同博物館の学芸アシスタント、木場貴俊さん(36)は「平成生まれの学生たちにも、愛新覚羅家を通して、昭和の激動の時代を知ってほしい。今後もゆかりの品を公開していくので、多くの人に見てほしい」と話している。

 入館無料。日曜休館。問い合わせは同博物館((電)0798・54・6054)。

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