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スマホ、動画へシフトする、広告を巣食うNHT問題とは

先週は久しぶりに西海岸に行き、ad tech サンフランシスコに参加した。主催者のDMG Eventsの体制も変わり、長い歴史を誇っていた当イベントは翌年ロサンゼルスで開催されると発表された。筆者は2010年に日本人で初めての海外アドテックスピーカーとして登壇し、当時発売されたばかりのiPadを購入して日本に持ち帰ったことが思い出されるだけに残念ではあるが、これもアドテクという分野がメジャーになり、技術的な内容からコンテンツへとフォーカスがシフトしたからといえるだろう。

さて、本年のad tech サンフランシスコ(以下ATSF)では色々なテーマがディスカッションされたのだが、筆者が一番残ったのがNHTという言葉である。NHTとはNon-Human Trafficの略で、人間以外によって生成されるトラフィックである。つまりアクセスが水増しされるということであり、広告の評価基準を揺るがす問題といえる。ATSFのキーノートの一つは(Un)Truth in Advertisement という題名で、モデレーターは弁護士であり、このトピックの深刻さを語っていた。

このセッションの内容によると、NHTの比率は調査によると全体の11%に及び、ビデオやモバイルの広告で増加傾向にあるということである。通常NHTは媒体(プラットフォーム)側が検知して排除するか、その数値を差し引いて広告主に請求することもあるが、ユーザーになりすましアクションを取る悪質なケースも見られるということである。上記にセッションではないが、アドテック東京ツアーのために個別に実施されたセッションで、コムスコアは以下のような調査を発表した。2014年11月の調査であるが結果はスライドを見てもらえば明らかであるが、多くのキャンペーンでNHTが存在していることがわかるであろう。

これはあくまでも米国の事例であり、日本国内は発展途上ゆえまだ深刻化していないのであるが、いずれ対岸の火事では済まなくなるかもしれないと思うのは筆者だけであろうか?

≫次ページ 「NHTの種類は増加しつつあり“イタチごっこ”」へ続く

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