個人店に大切にされる1人飲み食いの仕方について(ベンチャー役員三界に家なし)
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今回は都呂須 祐(ユウタロス)さんのブログ『ベンチャー役員三界に家なし』からご寄稿いただきました。
個人店に大切にされる1人飲み食いの仕方について(ベンチャー役員三界に家なし)
先日、築地で一緒に食事した取引先の人に「銀座も築地もどこに行ってもお店の人が声をかけてくれて、メニューにない美味しいものが出てくる。どうやったらそういうお店との付き合い方ができるのか?」と聞かれた。
そういう風に意識はしたことなかったが、確かに僕は1人でも複数でも夜の食事はほぼ8割方知り合いが居る決まった店に行く。
イタリアンでも寿司でもバーでもそうだし、クラブでもそうだ。(まぁ銀座の知らないクラブに入る勇気は僕にはないがw)
理由は「楽だから」というなんともショボイ理由なのだけれど、彼はそういう店を1軒は持ちたいとのことだった。
最初に主に京橋税務署方面を向いて言っておくが、さぞ会社の金で毎日たらふくうまいものを食っているんだろうというツッコミは下衆の勘繰りというものだ。
僕は仕事関係の会食と自分が1人で気晴らしで飲み喰いをするのは分けているし、すべてポケットマネーを使ってる上に、予算は多少は多いかもしれないが常識的な範囲。そんな高級店には行ってない。
で、、コツを教えてくれと言われたのでいろいろ考えながらしゃべったのだが、僕的にはコツというより、飲み方な気がしてきたので少し頭の中で整理したので落書き程度に書いてみようと思う。
まず大前提がこれだ。
「個人店で金払ったら客という概念は捨てて欲しい」
飲食業は儲からない。チェーン店がオペレーションの統一や集中購買、セントラルキッチンなどの血のにじむような努力をしても大赤字を出してるニュースを見てるだろう。
そんな中、ちょっと気の利いた個人店なんぞ儲かりまくるわけがないのだ。すべてはオーナーに別の金の儲け口から金入れながらやってるとか、美味い物が好きとか、オーナーシェフがやっぱりお店を起点にしてお客さんが喜んで欲しいからがんばってやってることが殆ど。
我々ひとりが払う食事代でお店が黒字転換するほどのインパクトがあるわけでもないわけだから、その上、必要以上の心地よい対応を無理強いするなんぞは傲慢が過ぎる。
しかし残念なことに飲食店で驚くほどこの手の振る舞いをする人は多い。
傍若無人まで行かなくても、迷惑な客というのは居る。
良識ある飲食店の人格者のオーナーやシェフ、板さん達は決して「こんな客は来なくていい」とかは言わないだろうから、僕が空気を読まず客として気をつけている点を書いてみようと思う。
1.とりあえず酒は飲め
昔どっかのシェフが水で金を取った取らないとかで炎上したことがあったが、飲食店の利益は酒代に乗っている。
つまりお酒で儲けているのだからお酒を頼むのはマナーだ。
僕のよく行くイタリアンレストランで頑として水しか飲まない女性客を見たことあるのだが、自分は利益貢献出来ない分飲む友人を連れてくるべきだと思う。
2.気分が良くなっても閉店時間が来たら帰れ
お店をやってる人達はプロだ。自分は明日は休みかもしれないが、彼らは店を開けなければいけないかもしれない。
築地に仕入れに行くかもしれない。
少しお店の人と仲良くなったからといって、あっちから、話に付き合ってくれと言われない限りは他の客が居なくなってもずっとだらだら飲んでるのはやめよう。迷惑だ。
3.他の客にはむやみに絡むな。
東京の夜の街、お酒が入れば出会いがあるのも醍醐味だが、これも注意したい。
お店は来てる客でその品格が決まる。というか、こういう人が飲んでる店ならまた来たいと初めて来た客が思える客になればそのお店にとってはさほどの儲けにならなくても置いておいてよいかと思ってもらえる。
つまりよくできた「インテリア」になれるかが大切なのだ。
ちょっといい女が一人で入ってきたらなめまわすように見たうえですぐに話しかけるおっさんは、単なる営業妨害でしかない。
カウンターの隣からお店の人と楽しそうに話をしてる話題で自分にとっておきのネタがあったとしても、そこは、大人しくしているしかない。
縁があればタイミングは必ずある。
学生ではないのだから、夜の街は間が大切で、自分の都合は置いて、他の客との関係ではなく、まずはお店との関係を大切にすべきなのが少なくともその店に居る限りのルールだと思う。
そもそも、酒癖が悪い人に関しては、大切にしたい店では自分でビール2杯までで必ず出るとか、もはや飲み過ぎない以外に手はないと思う。その後、公園でもカラオケボックスにでもファミレスにでも行ってグダグダになるまで飲めばよい。
つまり「絡み酒をする人」が最悪だということだ。
4.常連は混んで来たら一見に席を譲れ
自分がプライベートで飲んでるとして、お店が繁盛し始めた、たまたま入って来たお客さんが席がいっぱいという場合に、お店から(ごめんなさい!〇〇さん!席いい?)ってサインを送られるようになれば一人前だ。
飲食店において新規の客は大切な収益機会なわけだ。
今、たまたまのれんをくぐった一見さんは、自分にとって心地よいこの店が潰れずにずっと営業してもらえる為の利益を自分と一緒に負担してくれる未来の常連になるかもしれない。
だから、自分は一番いい席を譲るなり、早めに上がるべきだ。
しょうもない常連が居座ってる店はドアを開けた瞬間に分かるもんだ。そういうくだらない店に溜まってる男(女)になるのは自分としても避けたいものだ。
また、自分が常連として顔が効くことを見せようと無茶苦茶をするバカが居る。そういうのもみっともないからやめた方がよい。
5.わがままを言う前に、わがままを聞いて食え
お店には食べてもらいたい料理、飲んでもらいたい酒というものがある。生ものだったり、消費期限があるビジネスだからということもあるし、シェフが味わってほしいもの、試しにメニューに追加してみようかと思うけど意見を聞きたいメニューなどそういうものだ。
自分が食いたいものを作ってもらうなら食券買うようなところで食えばいい。
おすすめを聞いたり、余りモノを食べたり。そういう付き合いが出来ないのに、何か自分に特別なモノを食わせてもらうことを期待するなんて品もなにもあったものじゃない。
6.堂々と謙虚にする
例えさほど通ってないお店でも堂々としていればいい。それは客だからではなく、自分がちぢこまらなければいけないような店に行ってもいくら料理がおいしくてもお金の無駄だからだ。
だが同時に謙虚に振る舞うべきだ。
立派な肩書きがついてんのかもしらんし、何億も稼いでるかもしれない。業界ではちょっとした顔かもしれないが、
お店ではそんなことは関係ない。あくまで席を借りてる1人の男(女)だ。
だから、お店のルールをよく聞いて、しっかり従うこと。お酒を飲んでも丁寧な物言いを心がけること。
そういう人しかお店の人は、来てほしくないし、まして他の大切なお客さんと橋渡しをしたいとも思わないだろう。
7.金が無くても行け。ただしすぐ帰れ。
悲しいかな普通の人間には予算というものがある。毎晩仲間を連れて酒を、料理を振る舞える人はそうは居ない。
だが、一杯きりのお金しかもっていなくても顔を出そう。
そして予算の中で飛び切りのおすすめを食べさせてもらってすぐに帰ろう。
気持ちは行動で伝えるのが大事だ。ただ、人気店で金もないのに席をおさえてもらうのは迷惑をかけるから、
暇な時間に行くなどの配慮はしたい。
8.いつも同じ席に座れ。
これは、とても大切なことなのだけれど、もし座る席を選ばせてもらえるお店なら、必ず同じ席に座るようにしよう。
その席に誰かが座っていたなら、空き次第移動させてもらうのが良いだろう。
何者でもない自分にお店が専用席を用意してくれることはない。自分の席は、自分で決めて座り続けることだ。
そうすればいずれ自分の席になる。
そして、その日座っていなければ、他のお客もお店の人も心配してくれるようになる。
そしてもう一点大事なことだが、可能な限り同じ曜日、同じ時間に行くというのも大切だ。
そして前述したとおり、一度決めたらお金がなくても行くようにしたい。
そのうちきっとあなたが来ることをまってくれるようになる。
9.ワインを持ち込むならお店に断ったうえで抜栓料を多めに払う
ワインを持ち込ませてもらったり、店のセラーに先に寝かせてもらうというのはお店の収益機会を奪っているわけだから、やたらめったらやることではない。
特別な時にやるなら、多めに抜栓料を払う余裕は見せたい。
まぁ、これは僕が勝手に心がけていることで、上からマナーとして言うつもりもないし、そもそも合ってるか間違ってるかも知らない。
食べログ見て、スコアを比べて美味しい店を渡り歩くので別に結構。だけど、沢山のお店がある東京でそれ以外の楽しみもあると思う。
スターバックスのビジネスコンセプトで有名になったサードプレイスという概念がある。
ファーストプレイス(家庭)、セカンドプレイス(職場)以外の第三の場所で、一個人としてくつろげる場所というコンセプトだ。
でも、スターバックスでは一向に満たされない僕の気持ち。
「誰かと飲みたいわけじゃないが、一人ぼっちも味気ない。まっすぐ帰ればよいのだけれどそれをするには疲れすぎた。」
そんな時に、席を用意してくれているお店が僕個人としては故郷よりも価値ある場所だと思っている。
丁度いい距離感の自分だけのサードプレイスはやはり八方気を遣って作るだけの価値はあると思う。
一か所でもそういう場所があることで乗り越えられる恋や仕事の試練もあるのではないだろうか。
さて、今日も持ち場でがんばりますよ。今日もいつもの店のいつもの場所に座るまでは。
執筆: この記事は都呂須 祐(ユウタロス)さんのブログ『ベンチャー役員三界に家なし』からご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2015年05月28日時点のものです。
記者: 寄稿
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