橋下徹氏「新聞社・テレビ局の役員は100万くらい寄付してください」大阪都構想否決後の定例会見で
5月28日、大阪維新の党の定例記者会見において橋下徹・大阪市長が会見を行ないました。大阪都構想否決後、初となる会見において橋下氏は、大阪市の新しいイノベーションファンドの誕生や芸術・文化の分野における寄付制度の設立などの事業計画について語りました。
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大阪維新の会 記者会見 / 5月28日大阪維新の会代表・橋下徹氏定例会見 2015年5月28日のログ
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- 5月28日橋下徹大阪市長の定例記者会見
- スピーカー
- 大阪市長 大阪維新の会 代表 橋下徹 氏
大阪初のファンドの誕生について
橋下徹氏(以下、橋下)イノベーションが生まれる環境の実現に向けて、大阪初のファンドが誕生したことについてお知らせします。
これはずっと言い続けてきたことで、うめきた(梅田北ヤード)ですね、あちらのほうに人・情報・お金が集まるような、そういう拠点にしてですね、イノベーションが生まれるような環境を作りたいということを言いまして、ファンドを作ろうということで、局に支持を出して、局が頑張ってくれて、いろいろ課題があったんですけれども、今回やっとかなり大きなファンドが立ち上がりました。
大阪市は米国シリコンバレー等の先進的なビジネスモデルと、関西に蓄積された技術や事業ノウハウを組み合わせて、新しい事業を創出するファンドを設立するため、無限責任組合、ファンドの運営管理者を公募により選定しました。ファンド運営管理者の呼びかけにより、このたび総額48億円の出資があり、大阪初のファンドとして、グローバル・イノベーションファンドが誕生しました。
大阪市からは5億円を出資しました。このグローバル・イノベーションファンドは、収益だけでなく、投資活動を通じて、大阪や関西の革新的な人材、チャレンジする人材、次世代のベンチャー・キャピタルを引っ張る人材を発掘・育成することも目的としております。
いろいろ議論したんですけど、とにかく人・情報・お金が集まって、起業というものが行なわれるだろうということで、もともと大阪市の特別顧問だった方なんかの助言もいただきながら、うめきた(梅田北ヤード)でずっとイノベーションが生まれるような環境づくりをやってきたんですが、
こういう形でイノベーションハブという、これはグランフロント大阪のナレッジキャピタル内に今できてますけれども、こちらで出会いの場を提供して、今回グローバル・イノベーションファンドということで総額48億円、これで資金供給機能を充実させると。
こういう形でイノベーションが生まれる環境を作るということで、イノベーションエコシステムを強化していくことにしました。イノベーションハブのほうは、イベント数が平成25年4月開始から平成27年の3月、2年くらいで約380件、参加者がだいたい2万5000人くらいになっていると。出会いの場の環境は整いましたから、資金供給機能を強化して、イノベーションが生まれるようにしていきたいと思っています。
今回のファンドの特徴は、大阪市内の企業といいますか、事業主に限らないようにしたと。大阪市も5億円出資してますから、大阪市への還元も必要にはなってくるんですが、基本的によくある官製ファンドの場合には、当該自治体内の事業者に対する出資という制限をかけるんですが、今回はそれをつけていないということがひとつの大きな特徴です。
制限つけてないということでいいんですよね? 5億円分は大阪市内の事業者(への出資)にするんでしたっけ? それも外すんでしたっけ?
職員:経済戦略部企業支援部長のヤマダです。ご質問いただいた件ですが、契約上特に縛りはございません。
橋下:縛りなし? えー、いろいろ議論したんですけれども、縛りなしでいこうということにしまして、どこからでもこのファンドにアクセスしてもらって、資金を引っ張ってもらえればいいと、それが最終的に大阪のいろんなところに効果が出てくるということで、事業者に対する地理的に制約はかけておりません。
ぜひこのイノベーションハブとグローバルイノベーションファンド、これを最大限に活用してもらって、大阪でさまざまな起業というものを起こしてもらいたいと思っております。
大阪市民が芸術・文化を支援するなにわの芸術募金
次がですね、芸術・文化についての補助金のあり方、最後の総仕上げの所なんですが、なにわの芸術応援募金というものを開始します。
これまで文化行政の補助金の見直しをする度に、文化を破壊するとか、文化に対する理解がないとか言われてきましたけど、最終的にやりたかったことがなんとか仕上がったと、局のほうが頑張ってくれて、いわゆる寄付で文化を支えるという、本来の原理原則の形、これがやっと大阪市からできることになりました。
本当は国全体でやっていかなければいけないんですけど、行政サイドが特定の団体・芸術に対して評価をして、そこに補助金を打つという、そこに戦略性もなく、漫然と前年度の踏襲で毎年毎年決まった形で補助金を出していくというのが、これまでの文化行政の基本だったところをですね、いろんな芸術団体に公平に機会を与えて、しっかり評価をするということを基本にやっていく。
大阪市はアーツカウンシルというものを作っていますけれども、最後は寄付者の評価にゆだねるというのが一番の文化を支える本来の姿だと。もともと文化・芸術を支えるのが市民であってですね、行政が支えるっていうことをやるから、結局、お上に支えられる文化は衰退していくという歴史があるわけですからね。なるべく行政は文化を支えるというのはやらずにですね、国民の皆さんに支えてもらう、それが収益性のある事業になる芸術・文化活動であれば、それは容易にお金を集めることができるんですが、なかなかそうはいかない芸術・文化活動もあると思います。
その場合には国民のみなさん市民のみなさんにですね、税金を役所におさめるのか、その代わりに芸術文化団体にお金をわたすのかという選択を、国民・市民のみなさんに与えて選んでもらうと。
その選択を与えれば、収益性のある芸術文化事業だけしかお金が集まらないという事態は避けられるんではないかと。まあ寄付税制ですね、寄付税制の一番の領域と言いますか、効果を発揮できる領域って言うのが、まさに文化の領域ではないかと思ってます。
既存の制度を使って局と議論をしてて、新しい制度を創設したいと思ったんですが、なかなか今の日本の国の税制はですね、大枠を定めているもんですから、地方で勝手に税制を創設するのが難しいところがありまして。まあ局が知恵をしぼってくれましてね、今のふるさと寄付金を活用した形での文化寄付税制というものをなんとか作ることができました。
まずですね、この募金は大阪市のふるさと寄付金のメニューのひとつでありまして、登録された団体から応援したい団体を選ぶことができます。いただいた寄付金は登録団体の助成金として役立てます。一応ふるさと寄付金のメニューを活用しますが、寄付者の意向を最大限に尊重していくと。
平成27年11月の末までに寄付金をまず集約しまして、大阪が扱う市の審査の上、平成28年ごろに各団体に助成金を交付する。今年は開始日なんかが……。これ、本来はいつからいつにするんでしたっけ? 1年ごとに締めるんでしたっけ?
職員:経済戦略部、文化課長のハシダと申します。本来は3月から4月で締めまして、翌年度の助成金という形で、5月、6月に各団体に助成すると。29年度からなってまいります。28年度の原資は、今年の12月から来年の3月までのものを原資として、来年度の4月、5月、6月に交付をしてまいります。ちょっと2年間ずれますけど、29年以降は4月から3月に寄付をいただいたものを翌年度にお渡しをするという形で進めてまいりたいと思います。
橋下:これは僕が「とりあえず、今年でお金配ってよ」と言ったから、今年だけ変則的になったんですよね。
職員:はい。
橋下:そうですよね。本来は1年間ごとの締めにしますけど、今年はもう、早くやって。ということを言いまして、ちょっと変則的になっています。27年1月末までの寄付金を集約して、27年1月、来年の1月末までに各団体で助成金を交付すると。
登録団体は14団体になりました。音楽、演劇、文楽、法楽、落語。ということで、こういう団体が登録されました。大阪市内に主たる事務所を構えているということが前提となっていますので、今回の大阪市の税制ではセンチュリーは入っていません。
センチュリー交響楽団が豊中市なので。だから、同じようなことを大阪市でやってもらえれば、センチュリーの方に行くと。大阪フィルハーモニーとか、関西フィルハーモニーですか。文楽協会も入って、人形浄瑠璃文学座も入っていると。
それから能も入って、落語も入っていると。今回こういう形で、寄付が集まるようにしましたので。固定資産の減税とか、なにか特定団体の方に税金が免除されるようなことは、基本的にはなしにすると。
あとは、それぞれの団体が頑張ってPRしてもらって。おそらく集まってくると思います。税金払うくらいだったら、この団体に寄付したいと思う人、たくさんいると思いますし。
これ、別に大阪市民だけではなくて、全国民が自分の自治体に税金払うくらいだったら、こっちの方に払いたいということができる仕組みになってますので、全国から(寄付が)集まるんじゃないかなって思ってます。
「文楽に補助出せ」と言ったメディアは100万円くらい寄付を
とくに文楽協会はメディアがさんざん、僕の方に補助金出せ出せ出せ出せと。新聞やテレビ、みんな言ってたわけですけど。全社員きちっと文楽協会の方に寄付してもらえれば、大阪市が補助金出す以上のお金がしっかりと集まると思いますから。
関西の民放各社と、新聞社、全社員が文楽協会にきちっと。大阪市に税金納めてくれなくても結構ですので、皆さんが住んでいる自治体に税金を納めるかわりに文楽協会の方に払ってくれればいいんじゃないかと思ってます。
ふるさと寄付金は控除が拡大になりましたので、たとえば年収500万円。夫婦と子ども2人の4人家族の場合、1万円寄付した場合には、2000円だけが負担。住民税からは8000円減額。
皆さん、10万円ぐらい寄付してください。ここにいる人が10万円寄付したら、それだけで500万円ぐらいなるんで。10万円寄付して、年収700万。たぶん(記者の)皆さん、700万以上絶対あるでしょうからね。7万8500円、これが税金控除と。まぁ、1万2000円、1万1500円くらいは文楽を守るためにはそれぐらいはやってもらわないと。
各新聞社の役員には必ず言っておいてください。テレビ局の役員とか、100万くらい寄付してくれれば、あっと言う間に、団体運営補助の4000万円くらいわっと集まるので。これ、誰からが寄付したことってわかるんでしたっけ? 大阪市のほうに。
職員:名前のほうは公表する予定です。
橋下:名前を公表する予定。これは、来年メディアの社長メンバーが出てなかったらおかしいということが言えますんで。各新聞、テレビが、あれだけ文楽の補助金について言ったんで。社名とか出せないんですか? 調べられないんですか? でも、名前は公表するんですよね。でも、同意があった場合だけですよね?
職員:そうですね。
橋下:それは、メディアのほうが同意しないわけがないでしょうからね。楽しみにしてます。これ、いつ公表するんですか?
職員:取りまとめが11月になっておりますんで、それ以降でまとまり次第ということで。
橋下:僕の任期中に公表しましょう。
(会場笑)
橋下:楽しみです。あれだけ、新聞、テレビ、役員が寄付してくれるか。大阪フィルの方もどんどん寄付してください。大阪フィルと文楽協会。助成金削減した言うて、わんやわんや言われて。能楽とか、演劇も、落語もね。ともかくね、税金払うのか、文化団体に寄付するのか、一回大阪市内の方で調整したいと思ってます。
市内の中学生を対象とした塾代助成事業について
次が、かなり力を入れてやってきた塾代助成事業なんですが、対象者を拡大します。なんとか今年度予算を組んで議会を通すことができましたので、対象者を拡大します。
今、学習塾などにかかる費用ですね、習い事も含めて、月額1万円を上限に助成しています。この10月からは、市内の約5割の中学生が補助対象となるように、所得要件を定めまして、これまで約2万人だった助成対象者を31500人と、拡大をします。
中学校1年生、2年生、3年生の5割に補助がいくようにします。申請が必要です。5月の30日以降ですね。30日以降に、中学生のおられるすべてのご家庭に大阪市塾代助成事業のお知らせをお送りします。
同封の申請書類を7月の17日までに、運営事務局宛に送付をしてください。助成を受けるための要件がありますので、お知らせが届いたすべての方から助成を受けられるということではありません。
期限が過ぎても申請はできますが、開始月が遅れます。なお、既に助成を受けている方も申請が必要です。不明な点がありましたら、大阪市塾代助成事業運営事務局というところに問い合わせをしていただきたいと思います。
それから以前、塾とか習い事をやっている事業者サイドの方には10%負担をしてもらってたんですが、撤廃します。
もう、事業者の負担なしということにしていきますので、事業者の方が、費用10%負担すると、値引きをしなければならないというところがちょっと壁になってですね、この事業に参画することをためらっていた皆さんもいらっしゃると思いますので、もうそれは撤廃します。
学力的に厳しい生徒を対象にしている小規模な塾にも参画してもらうように、この事業者負担は撤廃しました。大規模な大手の進学塾がどんどん参加してくれてたんですけど、これはボリュームゾーン。中間所得者層の家系をサポートするという趣旨でありますから、学力が非常に厳しい、低所得者層だけのサポートではありませんので。
大手の塾とか進学塾にもどんどん参加してもらいたいんですけれども、学力的に厳しい子どもに対して、学校外教育でもなんとかサポート、学校外教育を活用して学力向上をはかっていこうという趣旨もありますので、ていねいに個別指導を行っているような、小規模な塾にもどんどん参加してもらいたいと思いますので、今回事業者負担を撤廃しましたので、ぜひ参加していただきたいと思います。3万1500人。できる限り多くの生徒にこの塾内クーポンを活用してもらいたいと思っております。
経済対策の大阪市プレミアム商品券
次は経済対策での大阪市プレミアム商品券と、これの予約受付を開始します。これはもう報道であるとおり、経済対策でのプレミアム商品券なのですが6/1から予約を開始します。1冊について1万2000円分を販売。2000円のプレミアムです。1万円で購入してもらえれば、1万2000円分使えると。
109万冊、約130億円分、発行します。大阪府で以前やったときに、大阪府のときには15パーセントのプレミアでしたが、大阪市内に在住の方でひとり最大4冊まで。インターネット、または郵便はがきで応募します。利用可能店舗は大阪市内の商店街、スーパーや百貨店の登録店舗。想定約1万2000店舗。
予約受付期間は6月1日~21日なんですが、ちょっと子育て世帯に有利なようにしています。子育て世帯を応援するために優遇措置を実施します。先ほど言いましたひとり4冊までという一般購入分とは別に、子育て世帯であれば一世帯につき、最大2冊まで優先的に購入可能です。これで4000円分のプレミアム。子育て世帯のほうに優先的に配布をしていきたいと思っております。
優遇措置のこの子育て世帯の対象世帯は約23万世帯。応募方法は大阪市のほうから送付する応募専用往復はがきによって6月5日~17日の間に応募と。子育て世帯だけちょっと先に別枠で応募をしまして、優先的に2冊配布していきたいと思っています。こういうことやるから、高齢者の皆さんに、高齢者に冷たい冷たいと言われるかもわかりませんが、まずは子育て世帯、2冊優先的に配布していきたいと思います。
僕からは以上です。