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 追い込み漁によるイルカの入手を問題視され、日本動物園水族館協会(JAZA)が世界動物園水族館協会(WAZA、本部・スイス)から会員資格を停止された問題で、JAZAは20日、理事会を開き、WAZAに残留希望を伝えることを決めた。JAZAに加盟する水族館は追い込み漁をしている和歌山県太地町(たいじちょう)からのイルカの購入を禁止されるため、今後同町から入手できなくなる。

 加盟する水族館63、動物園89の全152施設にWAZAに残るか、離脱するかを投票してもらった。有効票142票のうち、残留が99票、離脱が43票だった。残留を決めたことで、加盟施設は今後もWAZAのネットワークを生かし、展示や繁殖のために、スマトラトラやアムールヒョウ、レッサーパンダといった希少種のやり取りができる。

 荒井一利会長は記者会見し、「引き続き国際的なネットワークの一員として、動物園、水族館の発展に協力していきたい。今後は飼育しているイルカの繁殖を推進するなど、対応策を検討したい」と述べた。ただ、今回の決定は「追い込み漁(の文化)を否定しているわけではない」とも付け加えた。