日本の小泉純一郎・元首相は2003年に「観光立国」を宣言し、人口減少に伴う経済の低成長を打破する方策として、内需拡大効果が大きく期待できる観光業の育成に向けてかじを切った。それからすでに十数年が過ぎたが、日本では今もなお外国人観光客の積極的な誘致が続いている。06年に観光基本法を大きく見直して観光立国推進基本法を制定し、外国人に対する指紋押なつなどに象徴される閉鎖的なビザ発行方針を見直したかと思えば、08年には行政における責任の所在を明確にするため観光庁を新たに設置した。また日本にやって来る航空便を増やすため、空港の施設を見直す作業も同時に進めた。免税店について日本は昨年から韓国を参考にし始めた。これまで韓国は財閥グループ系列の大手免税店が外国人観光客の大きな受け皿の一つとなってきたが、日本の免税店は小規模な一般の商店が外国人観光客に対して単に税金を徴収しないだけだった。ところが日本は韓国の大型免税店に一度に1000ドル(約12万3000円)以上の買い物をする中国人観光客が押し寄せていることに衝撃を受け、自分たちも大型免税店を育成することにしたのだ。
これに対して、韓国の観光政策は今も後ろ向きだ。ビザの緩和は主に中国人を念頭に置いたものだが、そのペースは非常にゆったりとしている。また観光政策全般における実務の最終責任を持っていたのはこれまで局長級だったが、これも室長級に変更されただけでなく、スポーツ政策も同時に担当させている。日本も参考にした免税店に関する政策では、野党から「大企業への特恵」という批判が相次いだため、5年ごとに申請を受けてその内容を評価し、毎回新たに認可する形へと変更されたが、これでは完全に政府から規制を受ける形に逆戻りしてしまう。ちなみに日本は6年ごとに新たに審査を行って更新する形となっている。さらにただでさえ足りない宿泊施設を新たに建設しようとすると、教育庁は学校周辺でのホテル建設にブレーキをかけた。