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首相“軍事バランス保ち 抑止力が大切”5月27日 18時54分
安全保障関連法案は27日から衆議院の特別委員会で実質的な審議が始まりました。安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使容認などの法整備について、海洋進出を活発化させる中国を念頭に、南シナ海や東シナ海で起こっていることを考えると、軍事バランスを保ち、抑止力を利かせていくことが大切だと強調しました。
後半国会の焦点となる、集団的自衛権の行使を可能にすることなどを盛り込んだ安全保障関連法案は、安倍総理大臣も出席して27日から衆議院の特別委員会で実質的な審議が始まりました。
この中で、自民党の高村副総裁は、周辺事態法を重要影響事態法に改正し、地理的な制約がないことを明確にすることについて、「日本の平和と安全に重要な影響がある事態は、一般に言えば、近くで起きたときのほうが蓋然性は高く、遠くに行くほど、だんだん低くなってくる。ただ『遠くでは絶対にない』と言えないので、まぎらわしい『周辺』ということばをとったと解釈してよいか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「わが国に近い地域で重要影響事態が起こる蓋然性は相対的に高いと考えられるが、これに限られるわけではない。安全保障環境の変化も踏まえて重要影響事態と改めたもので、『近いか、遠いか』ではなく、わが国の平和と安全に重要な影響をもたらす事態かどうかが判断基準になるのは当然だ」と述べました。
民主党の長妻代表代行は、集団的自衛権の行使について、「多くの人から『専守防衛は変わらないと国会答弁で聞いたが、専守防衛は日本を守ることで、変わったのではないか』と言われる。従来は『わが国が攻撃を』と読んだが、今後は、『わが国もあるが、密接に関係する他国も入れる』と定義が変わっているのではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「今般の整備にあたって専守防衛という考え方は、全く変わりがない。武力行使の新3要件のもとで許容される武力行使は、あくまでも自衛の措置としての武力の行使に限られており、第1要件を見れば自明の理だ。わが国に対する武力攻撃、あるいは、わが国と密接な他国に対する武力攻撃が発生したことによって、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険を防衛するというのは専守防衛だ」と述べました。
また、長妻氏は「国連の安全保障理事会などに集団的自衛権行使の事例が報告されていると思うが、他国の領域でない形で行使された例はどのくらいあるのか」と質問しました。
これに対し、岸田外務大臣は「国連に報告されている14件の集団的自衛権行使の例を見るかぎりは、それぞれ陸上での行使がほとんどのようだ」と述べ、ほとんどが他国の領域で行使されていると説明する一方で、「公海のみで集団的自衛権が行使されることは、事態によっては十分考えられる」と述べました。
維新の党の松野代表は「『夏までに法改正を必ずやる』と言って、国民の皆さんには、ものすごく急いでいるように見える。集団的自衛権の解釈を変えて法改正しなければいけないような事態が本当に起こっているのか。もしあるならば、急いで法案の審議に協力する。特段なければ、じっくりとやるべきだ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「危機が起こらないと自信をもって言えるのであれば、こんな法律を作る必要はない。起こらないようにするためにこそ、法整備をする」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、海洋進出を活発化させる中国を念頭に、「集団的自衛権の行使の容認についても、アジア・太平洋地域の特定の国の名前を何回も挙げることはしないが、軍事力を増強している国がある。南シナ海や東シナ海で起こっていることのなかで、しっかりとした軍事バランスを保っていくことによって、平和と安定を維持し、抑止力を利かせていく。間違っても相手側に何か隙があるように思わせないことが大切で、やるべきことをやっていかなければならないと決意している」と述べました。
共産党の志位委員長は、外国軍隊への後方支援について、「自衛隊が行う弾薬の補給、武器の輸送等の後方支援・兵たんが格好の攻撃対象になるというのは軍事の常識だ。自衛隊は攻撃されないという保証でもあるのか。自衛隊自身が攻撃される可能性を否定できるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「その可能性が100%ないと申し上げたことはない。新たな仕組みの下でも、部隊の安全等を考慮して、今現在、戦闘行為が行われていないというだけではなく、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することになる。だからといって、絶対にないわけではないので、その時には部隊の責任者が判断して一時休止する。あるいはその後、退避するという判断は当然、行わなければならない」と述べました。
この中で、自民党の高村副総裁は、周辺事態法を重要影響事態法に改正し、地理的な制約がないことを明確にすることについて、「日本の平和と安全に重要な影響がある事態は、一般に言えば、近くで起きたときのほうが蓋然性は高く、遠くに行くほど、だんだん低くなってくる。ただ『遠くでは絶対にない』と言えないので、まぎらわしい『周辺』ということばをとったと解釈してよいか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「わが国に近い地域で重要影響事態が起こる蓋然性は相対的に高いと考えられるが、これに限られるわけではない。安全保障環境の変化も踏まえて重要影響事態と改めたもので、『近いか、遠いか』ではなく、わが国の平和と安全に重要な影響をもたらす事態かどうかが判断基準になるのは当然だ」と述べました。
民主党の長妻代表代行は、集団的自衛権の行使について、「多くの人から『専守防衛は変わらないと国会答弁で聞いたが、専守防衛は日本を守ることで、変わったのではないか』と言われる。従来は『わが国が攻撃を』と読んだが、今後は、『わが国もあるが、密接に関係する他国も入れる』と定義が変わっているのではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「今般の整備にあたって専守防衛という考え方は、全く変わりがない。武力行使の新3要件のもとで許容される武力行使は、あくまでも自衛の措置としての武力の行使に限られており、第1要件を見れば自明の理だ。わが国に対する武力攻撃、あるいは、わが国と密接な他国に対する武力攻撃が発生したことによって、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険を防衛するというのは専守防衛だ」と述べました。
また、長妻氏は「国連の安全保障理事会などに集団的自衛権行使の事例が報告されていると思うが、他国の領域でない形で行使された例はどのくらいあるのか」と質問しました。
これに対し、岸田外務大臣は「国連に報告されている14件の集団的自衛権行使の例を見るかぎりは、それぞれ陸上での行使がほとんどのようだ」と述べ、ほとんどが他国の領域で行使されていると説明する一方で、「公海のみで集団的自衛権が行使されることは、事態によっては十分考えられる」と述べました。
維新の党の松野代表は「『夏までに法改正を必ずやる』と言って、国民の皆さんには、ものすごく急いでいるように見える。集団的自衛権の解釈を変えて法改正しなければいけないような事態が本当に起こっているのか。もしあるならば、急いで法案の審議に協力する。特段なければ、じっくりとやるべきだ」と指摘しました。
これに対し、安倍総理大臣は「危機が起こらないと自信をもって言えるのであれば、こんな法律を作る必要はない。起こらないようにするためにこそ、法整備をする」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、海洋進出を活発化させる中国を念頭に、「集団的自衛権の行使の容認についても、アジア・太平洋地域の特定の国の名前を何回も挙げることはしないが、軍事力を増強している国がある。南シナ海や東シナ海で起こっていることのなかで、しっかりとした軍事バランスを保っていくことによって、平和と安定を維持し、抑止力を利かせていく。間違っても相手側に何か隙があるように思わせないことが大切で、やるべきことをやっていかなければならないと決意している」と述べました。
共産党の志位委員長は、外国軍隊への後方支援について、「自衛隊が行う弾薬の補給、武器の輸送等の後方支援・兵たんが格好の攻撃対象になるというのは軍事の常識だ。自衛隊は攻撃されないという保証でもあるのか。自衛隊自身が攻撃される可能性を否定できるのか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「その可能性が100%ないと申し上げたことはない。新たな仕組みの下でも、部隊の安全等を考慮して、今現在、戦闘行為が行われていないというだけではなく、自衛隊が現実に活動を行う期間について戦闘行為が発生しないと見込まれる場所を実施区域に指定することになる。だからといって、絶対にないわけではないので、その時には部隊の責任者が判断して一時休止する。あるいはその後、退避するという判断は当然、行わなければならない」と述べました。