佐藤栄佐久元福島県知事「国策捜査に気をつけて!」


(更新 2015/5/28 07:00)

 ところが、東京電力から福島県や地元住民にそれが伝えられたのは1週間後。最も大切な関係者である地元住民は無視されたのです。この構造は、沖縄の基地問題と共通しています。

 原子力政策に疑問を抱いた私は、東京電力の隠ぺい体質を批判し、情報公開を求めて国に異議を申し立てました。政府や自民党議員とも激しくやりあい、「闘う知事」と呼ばれたこともあります。

 談合疑惑を受けたのは5期18年目の06年。ある建設会社が、弟が経営する会社の土地を買ったことが、公共事業を受注するための見返りだったというのです。逮捕容疑に身に覚えはありませんでした。

 結果として裁判で認定された収賄額はゼロ円でしたが、12年に懲役2年、執行猶予4年の有罪となりました。前代未聞の事件でした。

 いま、「辺野古新基地建設」という国策に対峙している翁長知事にも、同じことが起こらないとは言い切れません。そのことを心配しています。

 私が住む郡山市では、保守・革新のイデオロギーを超えて、辺野古新基地建設阻止を訴える「沖縄・福島連帯する郡山の会」が発足し、私も相談役に就任しました。沖縄県民だけでなく、多くの日本人が翁長知事の行動に注目すれば、不当な圧力を防ぐことにつながります。みなさんで翁長知事を守ってほしい。それが私の願いです。

(本誌・西岡千史)

週刊朝日  2015年6月5日号


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