日本相撲協会は27日午前、東京・両国国技館で大相撲名古屋場所(7月12日初日、愛知県体育館)の番付編成会議と理事会を開き、関脇照ノ富士(本名ガントルガ・ガンエルデネ=23、伊勢ヶ浜)の大関昇進を正式に決定。相撲協会から友綱理事(62=元関脇魁輝)と桐山審判委員(64=元小結黒瀬川)が伝達の使者に立ち、東京・江東区の伊勢ヶ浜部屋で照ノ富士と師匠の伊勢ヶ浜親方(54=元横綱旭富士)に大関昇進を伝えた。晴れて正式に大関となった照ノ富士は夢の「大富豪」にも一歩前進だ。
「大関照ノ富士」が正式に誕生した。新三役から2場所での大関昇進は年6場所制以降では初の快挙だ。191センチ、178キロの恵まれた体格の持ち主。ケタ外れのパワーに柔らかさを併せ持つ大器で、角界内では早くも「次の横綱候補」の呼び声も高い。照ノ富士自身も、そんな周囲の期待に「もっと頑張っていきたい」とさらなる高みを見据えている。
臆面もなく「おカネ持ちになりたい」と言い切る23歳は、野望も超ビッグだ。夢は海外セレブたちが送るゴージャス生活。スマホを見ながら「1000万円の腕時計…オレにくれ!」とムキ出しの欲望…いや、素直すぎる憧れを口にしたこともある。実際、これまでの照ノ富士は「おカネ」を大きな原動力にしてきた。本場所中の朝稽古では、自らの取組にかけられた懸賞金の本数をチェックするのは、もはや欠かせない“日課”だ。
先の夏場所14日目(23日)。休場で取りやめになった取組の懸賞の一部が自身の取組に回り、当初の10本から新たに8本が追加された。それでも、いったん土俵に上がれば力士は目の前の一番だけに集中するものだが…照ノ富士は違った。「10本って言われてて、土俵に上がったら(10本より)多いじゃん!って」。にわかに増えた“ニンジン”に闘志が一段と高まり、懸賞をワシづかみにしたことは言うまでもない。
1本で手取り3万円の懸賞に一喜一憂する姿は、どこかほほ笑ましくも見える。ただ、今回の初優勝と大関昇進で手にする金額は、もはや“小銭”の域を越えている。
まず優勝賞金として1000万円もの大金をゲット。大関昇進で月給は約169万円から234万円に増額される。照ノ富士は「(増額は)いくらですか。65万円くらい? いいねえ」と思わずニンマリせずにはいられない。さらに、横綱になれば月給282万円にまで増えるのだ。強くなればなるほど知名度アップによるテレビ番組やCM出演などの副収入も見込める。モチベーションは高まる一方だ。
横綱白鵬(30=宮城野)は、副収入を含めた年収総額が2億円超とも言われる。“ミリオネア大関”、いや夢の“ビリオネア横綱”へ向けて、大きな一歩を踏み出した。
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