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中国は「国際規範を逸脱」=南シナ海埋め立てを非難―米国防長官

時事通信 5月28日(木)6時48分配信

 【シンガポール時事】カーター米国防長官はハワイ州で27日に行われた太平洋軍の司令官交代式で演説し、南シナ海で岩礁の埋め立てと人工島の造成を続ける中国について「国際規範と、力に基づく強制によらない(紛争解決の)手法を支持する域内の総意から逸脱している」と強く非難した。長官はまた、中国の人工島付近で米軍の艦船や航空機の活動を続ける方針を改めて示した。
 長官は「中国の行動は域内各国を団結させつつある」と指摘。「各国は米国の一層の関与を求めており、その声に応じていく。米国は今後数十年間、アジア太平洋の安全保障の主導者であり続ける」と述べ、中国の脅威に直面する各国と連携を深めていく考えを表明した。長官は29日にシンガポールで開幕するアジア安全保障会議で、域内の安全保障の枠組み強化を呼び掛ける。
 長官は演説で、アジア太平洋地域の安全保障は力による強制ではなく、自由な航行や上空通過の確保、法の支配といった原則に基礎を置いていると強調。「米国と国防総省はこうした原則を守り続ける」と宣言した。
 その上で、南シナ海の領有権争いに関し「全当事者による埋め立て活動の即時・永続的停止を望む。係争地へのこれ以上の軍の配置に反対する」と語り、人工島での施設建設などを取りやめるよう要求。さらに「国際法が許す限り、米国は飛行や航行、作戦行動を続ける」と明言した。 

最終更新:5月28日(木)6時54分

時事通信

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