由伸、G5人目40歳弾!バックスクリーンに1号
◆交流戦 巨人4―5西武(27日・東京ドーム)
ヨシノブが今季1号だ! 巨人は4点を追う5回、高橋由の40歳1号3ランで1点差に迫ったが、西武に競り負けて連勝が4で止まった。先発した大竹が秋山に先頭打者弾を許し、押し出し四球を与えるなど5回4失点の乱調で3敗目。9回には相川のタイムリーで再び1点差に迫ったが、あと一歩及ばなかった。
重心を捕手寄りに残し、豪快にフルスイングした。高橋由の強烈な打球は、中堅バックスクリーンに一直線に飛び込んだ。昨季より1試合遅い、50試合目での1号3ラン。「今年は(本塁打を)打てるのかな、と不安に思うことはあったが、1という数字がついてくれて少しホッとした」。坂本らの出迎えを受け、笑顔でホームを踏んだ。
特大の一発が生まれたのは4点ビハインドの5回無死一、二塁。野上の高めの142キロ直球を逃さなかった。「点差があったので、つなげられるような打撃を意識していた。直球を上から叩いて芯でしっかりと捉えられた。打った感触、角度も良かった」。巨人では王、南村、落合、工藤以来5人目となる40歳以上の一発。一振りで1点差とし、場内の空気を変えた。
巨人は、東京Dでの本塁打1本につき1万円を病気と闘う子ども、家族が生活する施設に寄付する活動を行っている。「東京Dでたくさんホームランを打ちたい。子どもたちも見ていると思う。希望になれるように頑張りたい」。昨季、チームは本拠地63試合で72本塁打だったが、今季は21試合で12本と激減。自らとチームを鼓舞するかのような豪快なアーチだった。
今季から打撃コーチ兼任。練習の合間には亀井、坂本らから、タイミングの取り方や打撃フォームについて聞かれることが多い。自身もフリー打撃では特大のサク越えを放って強く振る感覚を養う。「条件がそろわないと入らない」というバックスクリーンへの一発は、お手本のような打撃だった。
この日は阿部の体調を考慮し、相川がマスクをかぶった。強打者が一人欠ける中、6番に入った高橋由が存在感を発揮。前夜、11得点を奪って上向きの打線はこの日も西武を上回る9安打。最後まで粘った。原監督は「4点が重かった。しかしよく粘り強く戦ってくれた」とうなずいた。
22日の中日戦(ナゴヤD)では9回に代打で決勝タイムリー。試合後、桐蔭学園高時代の恩師で、現星槎(せいさ)国際高校湘南監督の土屋恵三郎氏(61)から祝福のメールが届いた。この日は「あと1点取れれば良かった」と好機での凡退を悔しがったが、高校時代に一度も直されなかった美しいフォームで、華麗に「40歳1号」アーチを描いた。(片岡 優帆)