創刊35年で初!「Number」表紙を読者投票で決める
文芸春秋が発行するスポーツ誌「Number(ナンバー)」が創刊35年で初めて読者投票によって表紙を決めることが27日、明らかになった。対象となるのは、14年ぶりのプロレス特集として7月16日に発売される新日本プロレスの特集号。表紙を読者投票で決めるのは同社では初。雑誌の世界でも異例という。28日からインターネット上で「読みたい選手」投票を行い、1位となったレスラーが雑誌の顔であり命でもあるカバーを飾る。
あの「ナンバー」が雑誌の顔であり命でもある表紙のセレクトを読者の手に委ねることになった。1980年に創刊され、最新号で通巻878号を数える老舗スポーツ誌にとっても史上初という極めて異例の試みだ。
フロントページを飾るのはエース棚橋弘至か、「レインメーカー」オカダ・カズチカか、あるいは「反逆のボマイェ」中邑真輔か―。ナンバーは、28日から公式ホームページ(http://number.bunshun.jp/articles/-/823356)上で「新日本プロレス総選挙」を開催。新日の所属選手、または新日のリングに参戦しているフリー選手ら計48選手から「読みたいレスラー」を選ぶ。
新日を題材にかつてない試みをすることについて、松井一晃編集長は「実際に新日の会場で人気復活の熱気を感じる中、我々が議論するより先に、まずファンの方が誰に、何に熱狂しているかを理解したいと思ったんです」と意図を説明。「投票していただいて、取材対象が決定した後は我々の出番。表紙の選手には完全密着しますし、写真にも徹底的にこだわります。ご期待ください」と話している。
今回の新日特集は、2001年に中西学が表紙を飾って以来、14年ぶりのプロレス特集となる。人気低迷とともにナンバー誌上での扱いも減っていたプロレスだが、昨年頃から新日人気が復権。恒例の「1月4日ドーム大会」は満員御礼で、会場の半数近くを占める「プ女子」は流行語になった。直木賞作家の西加奈子さんが受賞会見で「新日に勇気をいただいている」と発言するなどしたこともあり、注目度は加速している。
表紙を読者投票で決めるのは、文芸春秋の歴史では初。出版界でも極めて異例だ。注目の投票形式は、1人につき最多で3選手の投票が可能。6月25日で締め切った後、1位となったレスラーが表紙を飾る。また、7位までにランクインした選手は、インタビューなどで必ず誌面に登場。AKB総選挙さながらに中間発表なども行い、イベントとして盛り上げていく。
総選挙について、新日のエース棚橋は「今回の企画にはとても驚きました。学生時代にナンバーのプロレス特集号をよく買っていたので。ナンバーに載るというのは競技者としてのステータス。総選挙…多くの方を丸め込み、いや、巻き込みたいです。表紙になりたいです! 全力出しますッ!」と宣言。熱い選挙戦を展開してのフロントページ奪取に意欲を見せた。(北野 新太)