中田絢子、島康彦
2015年5月28日00時52分
5月21日正午前。天皇、皇后両陛下の姿は、お住まいの御所の玄関にありました。車で到着したのは、パラオ共和国のレメンゲサウ大統領夫妻。来日中のマーシャル諸島の大統領夫妻とともに、両陛下が昼食に招待したのです。約1カ月ぶりの再会に、出迎えた天皇陛下は笑顔で握手を交わし、皇后さまは「ナイス・トゥー・シー・ユー・アゲイン」と英語で話しかけていました。
両陛下は4月8~9日、太平洋戦争の激戦地・パラオを訪れました。戦後70年にあたり、戦没者を慰霊するためです。「太平洋に浮かぶ美しい島々で、このような歴史があったことを、私どもは決して忘れてはならないと思います」。天皇陛下は同国訪問前にそう語っていました。
他の地域での戦闘に比べると、パラオでの戦いはあまり知られていません。「両陛下はご自身が行動することで、戦争の悲劇を広く伝えようとされているのでしょう」。ある幹部はそう分析していました。両陛下のメッセージをどう受け止めていくべきなのか。お2人が去った後、現地に残って取材を続けました。
残り:1409文字/本文:1854文字
PR比べてお得!