矢島大輔、仲村和代、岩崎生之助
2015年5月27日15時13分
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に反対する「辺野古基金」。4月の設立後、寄付額は2億5千万円を超えた。約1万8千件の寄付の7割ほどは本土からという。身近な基地への不安、戦争体験、辺野古の海を愛した母の供養……。寄付者は様々な思いを込め、沖縄の痛みに寄りそう。
本土で初めて新型輸送機オスプレイの配備が決まった米空軍横田基地(東京都福生市など)。近くで生まれ育った東京都あきる野市の前田眞敬(まさよし)さん(71)は4月、辺野古基金を新聞で知り、1万円を振り込んだ。
「沖縄のことをひとごとだと思っていると、いずれ自分たちの身に降りかかってくる気がしてね」
ベトナムやアフガニスタンで戦争が起きると、米軍機の離着陸が増え、戦争を身近に感じた。国内の米軍専用施設の7割が集中する沖縄に関心はあるが、たびたび訪れるのは難しい。
沖縄で約3万5千人(主催者発表)が集まった県民大会があった17日、横田基地前のオスプレイ配備反対の集会に足を運んだ。翌18日(日本時間)、米ハワイでは訓練中のオスプレイによる死亡事故が起きた。
「地元で基地問題と向き合うのも沖縄を考えることにつながると思う」
東京都東大和市の金沢妙さん(87)は今月上旬、基金に2千円を送った。
太平洋戦争中の1944年、長野の高等女学校から名古屋の軍用機工場に動員された。爆弾投下で同級生1人が命を落とした。
報道で沖縄の基地問題にふれるたび、「戦争を知る世代として何かしたい」と思っていたが、一昨年に夫を亡くし、体力も気力も衰えていた。新聞で辺野古基金を知り、「これならできる」と思ったという。
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