中国株の年初来の上昇率は+23.9%
最近の世界の金融・株式市場はめまぐるしく変動しており、予想しづらい状況が続いている。ゴールデンウィーク直後は、先進国での長期金利上昇が顕著だったが、どうやらそれも落ち着きを取り戻しつつあるようだ。
調整局面を迎えつつあった欧米の株式市場は、金利上昇一服で再び上昇基調に転じると思いきや、現状、一進一退で今一つ方向が見えない状況が続いている。ECB(欧州中央銀行)による量的緩和は実施から3ヵ月が過ぎようとしており、そのインパクトはマーケットにすでに織り込まれたように思われる。この理由は、イエレン米FRB議長の利上げ示唆発言で米国株の行方に再び不透明感が漂ってきたことだろう。
その一方で、このところ上昇ペースが著しいのが中国株である。世界78ヵ国の国別の株式指数を発表しているMSCIによれば、中国株の年初来の上昇率は+23.9%で、世界第6位である(図表1)。
中国株は、ゴールデンウィーク中の5月初旬に一時、暴落したため、MSCIでの1ヵ月間のパフォーマンスは冴えないが、最近2週間の上昇は著しく、他国の株式市場のパフォーマンスを圧倒している。
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