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 9年前に引退した戦後初の国産旅客飛行機「YS11」が27日、復活のフライトを果たした。国土交通省が検査用に保有していた1機を整備した航空機販売会社の担当者は「ものづくりの大切さを伝えていけたら」と話す。

 午後1時50分すぎ、プロペラが回転を速め、YS11が羽田空港の駐機場から動き出した。約20分後、かん高いエンジン音とともに離陸。午後4時15分ごろ、高松空港に着陸した。

 機長の野口武彦さん(42)は「無事飛行できてよかった」と胸を張った。距離を測る装置が上空で使えず、速度や時間などから距離を計算したという。

 整備したのは大阪府八尾市の「エアロラボ インターナショナル」。同社は古い機体を改修して販売しており、昨年12月、国交省が保有し、スクラップにされる可能性があった機体を落札。「まだ『おつかれさま』じゃない」を合言葉に手を入れてきた。

 同社の鼓呂雲(ころん)健造社長(33)は「感無量。(機体が)浮いたとき、携わったみんなに感謝という言葉しか出てこなかった」。