「響け!ユーフォニアム」8話は、
高坂麗奈の圧倒的存在感が際立った。

まず久美子と一緒に山に登る時の、高坂さんが髪を縛るシーン。
シュシュを、口を使って作る描写、
髪を縛る時の腋の動きが素晴らしい。
特に右脇の影の部分もきちんと描かれていて、
見ているだけで高坂さんのエロスが伝わってくる。

また久美子の顔を指でなぞる時の上唇あたりのプルルン感。
このプルルン感は久美子によるものだが、
人の顔に指を当てる行為をする、高坂さんの方がキレキレである。

自分は他の人間とは違う、
「特別」になりたいと久美子に告白した時の
高坂さんの髪の色トレス(線画の部分に色をつける)の美しさ。
この色トレスの処理を施す事で、
高坂さんが特別な存在のように見えるのは私だけか。

最後にワンピースのひるがえり。
服の生地の柔らかさを感じずにはいられない。
アニメーションの快楽性が凝縮された瞬間だ。
これらの描写によって高坂さんが際立った存在のように見えてしまう。
高坂さんはこれらの描写以外にも、
久美子に対する言葉遣いが凄かった。
「私、本当は前から思ってたの。
久美子と遊んでみたいって。久美子って性格悪いでしょ。」
「中3のコンクールの時、
本気で全国行けると思ってたのって聞いたんだよ。性格悪いでしょ」
(久美子に悪口と聞かれて)「これは、愛の告白」
「私、久美子のそういうとこ気になってたの。
良い子の顔して。でも本当はどこか冷めてて。
だから良い子ちゃんの皮ペリペリってめくりたいなって」
「久美子ならわかってくれると思って。私興味ない人とは仲良くなろうと思わない」
「当たり前に出来上がってる流れに抵抗したいの」
「私、特別になりたいの。他の奴らと、同じになりたくない」
「だから私は、トランペットやってるの。他の人と同じにならないために」
「なれる。もっと上手くなればもっと特別になれる。
自分は特別だと思ってるだけの奴じゃない。本物の特別になる。」
「やっぱり久美子は性格悪い」
「好きなの」
久美子への言葉責めと
「特別」になりたいという自己の目標を
久美子に全てをさらけ出す事を同時にやり遂げる、高坂さんのセリフの数々。
そんな自分を理解してくれそうな久美子への期待感も溢れている。


以上で挙げた高坂さんの言葉の中で「好きなの」は意味深だ。
今から吹こうとしている曲なのか、
それとも久美子のことなのか、
どちらにも取れるような解釈の余地を残している。
さらにいえば、その前に二人が靴を脱いでから
(靴を脱ぐ=心を許す決定的な描写)
演奏し始める描写を見ると、
この二人の演奏(デュエット)自体が
擬似セックス的な意味も込められているのではと思ってしまう。
いずれにせよ、高坂麗奈の圧倒的な存在感が、
ユーフォニアム8話を大いに盛り上げたのは間違いない。
今回の絵コンテ・演出は藤田春香さん。
これから大いに注目したい京都アニメーションの演出家さんである。
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