入江昭氏「謝罪は当然、日本政府は実行を」

入江昭・ハーバード大学名誉教授
安倍首相に慰安婦問題解決を求めた歴史学者187人の声明に参加
「声明の起草には参加しなかったが慰安婦問題の歪曲を批判、喜んで同意」
著書『歴史家が見る現代世界』、韓国でも出版

-韓国国民の多くは、日本が戦争責任や植民地支配への反省をきちんとしていないと考えている。

 「過去を見詰め、過去の犯罪や誤りを悔い改めて謝罪するのは当然のこと。日本政府も、日本の世論も、ここに焦点を合わせて実行に移さなければならない」

-明治産業施設の世界遺産登録推進が物議を醸している。登録したいのなら、侵略戦争に利用された事実を明らかにすべきだという主張がある。

 「侵略戦争は日清戦争と台湾併合にまでさかのぼる。まずそこから始めるべきではないだろうか」

-韓日関係は最悪の状況だ。

 「根本的には、韓国人と日本人、そして世界の全ての人が、国家中心主義ではなく人道主義、国益よりも人権を尊重するようになれば、平和な地域秩序が可能になると思う」

-今回の本では、グローバル非政府組織(NGO)の活動を強調している。しかしこれらのNGOは、国家を代替し得ないのではないか。

 「もちろん、現存する国家に代わるNGOはない。しかしNGOは重要な役割を果たしてきており、世界で活動する数も徐々に増えている。市民社会(civil society)が発達することは極めて重要だ」

-欧州連合(EU)のような地域共同体はアジア地域でも可能か。

 「アジア共同体も、国家(政府)間ではなく民間市民社会を通してつくることができるだろう。例を挙げれば、産業界や学界で進めることができる。少なくとも歴史学者の間では、中国・韓国・日本・米国といった国境は、自由な学術交流を妨げる障害にはならない」

李漢洙(イ・ハンス)記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 入江昭氏「謝罪は当然、日本政府は実行を」

right

関連ニュース