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素材・エネルギー

総合化学メーカー、自動車向け新素材の開発加速−高機能樹脂に資源投入し収益源に育成

掲載日 2015年05月27日
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レクサスRCFに採用された三井化学の炭素繊維強化成形材料


 総合化学大手各社が自動車の生産効率化につながる新素材の開発を加速している。住友化学はカビの発生を抑えるエラストマー(弾性樹脂)を開発した。三菱ケミカルホールディングス(HD)の溶けた樹脂の合流線が製品表面に発生しにくい高機能ポリプロピレン(PP)は、ダイハツ工業に採用された。中国メーカーの供給過剰で基礎化学品の採算悪化が長期化する中、各社は高い技術が求められる自動車部品向け高機能樹脂を、主力の収益源に育て活路とする戦略だ。

 住友化学の開発品は防カビ成分がエラストマー内側から表面に少しずつしみ出す仕組み。車載用エアコン部材など湿気の多い場所や水にぬれる場所の部材に用いても防カビ成分が長期間続く。同社は明るさが1平方メートル当たり1万カンデラを実現した有機EL照明パネルを使った自動車用ブレーキランプも開発した。発光面の厚さが1・2ミリメートルと薄いため、軽量化に貢献し、デザインの自由度も増す。
 三菱ケミ傘下の日本ポリプロが開発したメタロセン系PP「ウィンテック」はダイハツ工業のドア化粧パネル(ガーニッシュ)に採用された。高性能軟質PP「ウェルネクス」も河西工業がドアグリップに採用した。塗装工程が不要で、歩留まりを向上できる。


 三井化学は熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂に添加材を混ぜた樹脂を炭素繊維にしみ込ませシート状にした成形材料を開発、トヨタ自動車の高級スポーツクーペ「レクサスRCF」のボンネット内側パネルに採用された。アルミニウム製より約3割軽量化できる。


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