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tioが語る、都会に住まないからこそできる音楽と暮らしの両立

インタビュー・テキスト:加藤直宏 撮影:田中一人(2015/05/26)

村上春樹でもなく、ジョージ・オーウェルでもなく、ただ単にメンバーの生まれた年に由来している『1984』という1枚のアルバムを聴いて、僕はtioという4ピースバンドのことが大好きになってしまった。たまに顔を見ただけで、「こいつ絶対にいいヤツ!」と思う人がいるけれど、tioのサウンドにはそのような魅力ある人間性が溢れているのだ。彼らの音楽に歌や言葉はない。しかしそのサウンドは言葉以上に、饒舌に感情の機微や心象風景を豊かに表現する。詩情に溢れたメロディーがあり、瑞々しい感性の揺らぎがあり、躍動感のあるリズムがある。そしてとても人懐っこい。ギター、スティールパン、ベース、ドラムという編成から、驚くほど多彩で表情豊かな楽曲が生まれてくる。

彼らは地元である三重県の四日市市を拠点にしており、普段は仕事をしながら、バンド活動を続けている。現在はNabowaなどが所属する京都のレーベル「bud music」に所属し、『1984』は通算4枚目のアルバムとなる。収録されている楽曲は、どれもリード曲になり得る強度のあるものばかりだ。女性誌『マリソル』のテレビCMに起用された“RUN RUN RUN”は、明るくて元気が湧いてくるキャッチーな楽曲だが、先行で公開された“ungraspable”は、ダークでエモーショナルな楽曲に仕上がっている。tioの四人は、自分たちの暮らしに根ざした音楽活動を続けているからこそ、その明暗を音で描く必要があった。この素晴らしき『1984』について、メンバーが語ってくれた。

PROFILE

tio(てぃお)
三重発4ピース・インストゥルメンタル・バンド。2008年、水谷真大(Gt,Pan)、新美耕介(AGt)、下田貢(Ba)、 伊藤祐介(Dr)にて結成。2013年夏よりNabowa、jizueなどが所属する京都のレーベル、bud musicに所属し、2014年1月にフルアルバム『toitoitoi』、11月にシングル『ROLL』をリリース。初の全国ツアーを行い、『Natural High!』『GO OUT CAMP』などの野外フェスにも出演。2015年5月27日(水)にはニューアルバム『1984』をリリースする。
tio

きっと何かを変えたかったんだろうね。1回バンドをやめたけれども、楽しかった感覚は残っていて、またやってみたいという時に、何か新しいことをやりたいなって。(水谷)

―みなさんは四日市市を拠点に活動されているんですよね?

下田(Ba):はい。四日市というと、海沿いの大きな工業地帯をイメージすると思うんですけれど、少し離れると、田んぼや山もあって、人工的なものと自然が同居している町なんです。僕たちが住んでいるのは、田園のほうですが。

―みなさんご近所同士なんですか?

水谷(Gt,Pan):そうですね。僕とドラムのユースケマン(伊藤)は幼馴染で、もう20年くらいの付き合いになるんです。そして新美と下田は、隣町の幼馴染。



―tioとしてバンドを結成したのは、7年前ですよね? 幼馴染の四人が、どういうきっかけで結成に至ったのでしょう?

新美(Ag):僕と下田は、高校の時に同じ寿司屋でバイトをしていて、その時から一緒にハードコアのバンドをやっていました。

―お寿司屋さんで働きながらハードコアですか!(笑) しかも、いまの音楽性とはずいぶんかけ離れたバンドをやられてたんですね。

下田:僕はニューヨークのハードコアが好きだったんですけれど、新美はもっとメタリックなテイストのものが好きで。Converge(アメリカ・マサチューセッツ州で結成されたハードコアバンド)とかに代表されるカオティックハードコア系のサウンドを目指していたんですけれど……。

新美:だんだんバンドの音楽性が迷走してしまって、他のメンバーから「もうついていけない」って言われてしまう始末で。そのバンドを諦めてからはしばらくバンドから離れていたんです。でも、2、3年経ったらまた音楽がやりたくなって、やるならこれまでとは違うジャンルの音楽をやりたいなと思って。

新美耕介
新美耕介

―水谷さんと伊藤さんも、tioを組む前にそれぞれバンドをやっていたんですか?

水谷:僕は、バンドは10代の頃にユースケマンとやっただけで、そのあとはDJに夢中でした。最初はハウスから入ったんですけど、クボタタケシさんに影響を受けて、だんだん色々なジャンルを取り入れていくようになりましたね。

伊藤(Dr):僕は大学の軽音部でバンドをやっていたんですけど、卒業と同時にそのバンドが解散することになって。ちょうどそのタイミングで4、5年ぶりにまーくん(水谷)と連絡をとったら、「スタジオで遊ぼうよ」って話になって。

伊藤祐介
伊藤祐介

―昔からの知り合いだったけど、バラバラに活動していたみんなが音楽を通して集まったんですね。なぜインストをやろうと思ったんですか?

下田: 四人ともボーカル経験がなかったから(笑)。

―ボーカル経験のある人を入れるという選択肢もあったと思うのですが。

新美:前にやっていたハードコアのバンドは、だんだん楽しめなくなってしまっていたから、今度は楽しくやりたいって気持ちがすごくあって。四人にできないことは無理してやらなくていいかなって。

下田:歳を重ねて、自分の好きな音楽も変化してきて。20代前半くらいまでは激しいラウドな音楽が好きだったけれど、だんだんインストが面白くなってきたんですよね。

新美:そうやね。ハードコアのバンドをやっている頃は他のジャンルなんて興味がなかったけど、バンドが解散したあとは吹っ切れたというか。toeとかSPECIAL OTHERSのようなインストのバンドに刺激を受けていた時期でした。それまで頑なになっていた反動で、いろんな音楽を楽しめるようになっていたので、そういう気持ちを大事にしたかったんです。

水谷:きっと何かを変えたかったんだろうね。1回バンドをやめたけれども、楽しかった感覚は残っていて、またやってみたいなっていう時に、何か新しいことをやりたいなって。


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